近江(滋賀)の正捕手として、春夏3度甲子園に出場した関大・有馬諒捕手(1年)がリーグ戦デビューを果たした。

9点差がついた8回表の守備からマスクをかぶり、2投手をリードした。8回は先輩の桃尾岳宜投手(3年=滝川二)、9回は同学年の古西祥真投手(1年=社)とバッテリーを組み、2回を2安打無失点に抑えて勝利に貢献。「先輩たちに笑顔で楽しんでいけと送り出してもらいました」と初々しくはにかんだ。

8回裏に周ってきた初打席では、1死から中前安打を放ち、リーグ戦初打席で初安打をマーク。木製バットに慣れるために、自粛期間中は筋力トレーニングを積み、開幕前のオープン戦では長打もマーク。「対応はばっちりだと思います」とルーキーが攻守でしっかり存在感を残した。

2年夏の甲子園では、準々決勝で金足農業(秋田)と対戦。サヨナラ2ランスクイズで敗退し、球史に残る一戦の当事者になった。3年夏の甲子園では、初戦で東海大相模(神奈川)に敗れはしたが、インサイドワークと強肩を武器に、林優樹投手(現・西濃運輸)とのバッテリーは、高校野球界を彩った華だった。

大学デビュー戦の舞台は、高校時代に何度も公式戦で足を運んだ皇子山球場。「昨日久しぶりに球場に入って良い球場だなと。力が発揮できて、やりやすいというか思い出深い場所です」。慣れ親しんだ滋賀の地で、のびのびプレーした。

早瀬万豊監督(62)も「入ってきたときから木のバットに対応していた。視野広くゲームを見られている。実戦の中で存在感を出せる。(正捕手の)久保田の成長にもつながっている」と評価する。

目標は、高校時代に成し遂げられなかった全国優勝だ。「高校で全国制覇を掲げたけどベスト8で負けてしまった。(昨秋の神宮大会で)準優勝しているチームなので、全国制覇を目標にして、4年後プロを目標にしたいです」。大学野球界でも名を残す-、有馬の挑戦が幕を開けた。