G連倒でタイトルロードを歩む。広島森下暢仁投手(23)が14日、マツダスタジアムで先発投手陣の練習に参加した。前回登板から中6日で17日中日戦に先発する。さらに残り9試合中、4度も首位巨人戦に登板する可能性があり、新人王獲得へのアピールの舞台になりそうだ。チームを上位へ導く戦いだけでなく、2桁勝利を含めた個人の目標に向けた戦いも本格化する。

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秋風を受けながら、森下は汗を流した。前回10日のヤクルト戦は中5日で109球を投げ、次回は中6日での17日中日戦が予定される。シーズンはすでに折り返しを過ぎ、調整する姿にも落ち着きがみられる。ここまでチームトップの6勝を挙げ、先発の柱として期待されるまでになった。シーズン終盤はチームの上位浮上ともに、新人王や2桁勝利など自身の目標にも向かっていく。

爽やかな笑顔に隠す疲労も色濃くなってきた。投球の軸となる直球が捉えられる場面もみられ、本人も課題を感じている。「やっぱり真っすぐが生きないと、変化球も生きない。しっかりとしたフォームで体が開かないようにバランスよくということを意識して投げています」。マウンドでの修正能力を登板間の調整でも発揮する。フォームを微修正し、疲労蓄積には交代浴などで回復を図っている。

順調にいけば登板数は残り9試合あり、2桁勝利が視野に入る。新人王は、その先に見えてくる。「1つ1つの試合を意識しています。1試合ずつの積み重ねで、結果的についてきてくれたら」。以前はむき出しにしたライバル心も、冷静に足もとを見つめる。

春季キャンプから食事をともにしてきた先輩大瀬良が「コンディション不良」で1軍にいない。チームを離れるときには「考え過ぎずに、ケガなくシーズンを終わればいいから。自分ができることを1つ1つしっかりやって頑張れ」と励まされた。大瀬良もプロ1年目に2ケタ勝利&新人王を獲得。兄貴分不在も、独り立ちのきっかけとしたい。

17日中日戦の登板をへて、中5日で23日巨人戦に回ることが予想される。巨人との残り4カードはすべて週初めに予定。順調にローテーションを回れば、残り登板9試合のうち、4度巨人と対戦することになる。「やっぱり首位のチームなので、そこに勝てれば自分の自信にもなりますし、勝ちたい思いは強いです」。タイトルを争う戸郷がいる球団でもあり、球界の盟主。G倒はタイトル獲得への大きなアピール材料になる。まずは17日、プロ初勝利を挙げた6月28日以来の対戦となる中日を倒して弾みをつけたい。【前原淳】