目指せ首位打者キャッチャー! 阪神ドラフト4位の立命大・栄枝(さかえだ)裕貴捕手(22)が2日、京都市内の同大学キャンパスで指名あいさつを受けた。イケメンマスクが輝くルーキーは強肩が武器ながら、大学通算打率3割超えの打撃も高く評価された。過去に捕手で首位打者に立ったのは、立命大OBでもある古田敦也を含む4人だけ。あこがれの大先輩のように「打てる捕手」になる。

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きりっとしたまなざしに穏やかな笑顔。周囲が心配するほどの優しい性格と、目標をきっぱり宣言する強さを栄枝は併せ持つ。「僕はこれからの時代は打てて当たり前のキャッチャーが必要だと思っている。そういう意味では首位打者、打てる率を残す、そういうキャッチャーになりたいと思います」。目指すは「打てる捕手」だ。

二塁送球1秒8の強肩二加えて、打撃力も高く評価された。正捕手となったのは今年からだが、大学の通算打率は3割2分9厘。担当の熊野スカウトも「僕は彼を見ていて、バッティングのほうを気に入っていた。癖がないんですよね、内からバット出せるし、体もありますしね」と太鼓判を押す。そんな栄枝が理想とするのは広島鈴木誠だ。「バットの出し方とか、見ててほれるようなスイングをしている。力強さとかもそうです」と、キラキラとした目を一層輝かせた。

捕手は守備に占めるウエートが高いこともあり、首位打者を取ったのは、過去4人だけ。立命大の大先輩捕手、古田敦也も91年に成し遂げた。「球界でレジェンドと言われていますし、現役の時は首位打者も取られて、1シーズンの盗塁阻止率6割超えの記録も残されています。古田さんのように、野球を終えた時に名前残るような選手になりたいと思います」。将来的なタイトル獲得に向けて、まずは「打率3割」と具体的な数字を掲げた。阪神の生え抜き捕手での打率3割超えは、2リーグ分立後では田淵幸一だけ。両レジェンドに並ぶ活躍を夢見る。

ドラフト指名を受けてから約1週間。道で声を掛けられることもないと話すが、そんな日常もいずれ変わるはず。「阪神タイガースさんのファンは、12球団の中でも一番熱いと思っています。その声援に応えられるようなプレーをしたい」。硬派なイケメンマスクとバッティングで、甲子園を熱く沸かせる。【磯綾乃】