楽天渡辺直人内野手兼任打撃コーチ(40)が自身の引退試合に「1番DH」で出場。第2打席に左翼線二塁打を放った。

3回2死。1ボール2ストライクからの4球目。西武浜屋の139キロ直球を捉えた。左翼線へ強烈な打球を放ち、悠々と二塁へ到達。手をたたき、笑顔を見せた。続く小深田の左前打で三塁を蹴り、本塁にヘッドスライディングで生還。ユニホームを土まみれにした。

1回裏の第1打席では、自身の名前がコールされるとスタンドから拍手がわいた。西武浜屋の初球、外角139キロ直球にややタイミングを外され、右飛に倒れた。

試合前、三木監督は「1番DH」での出場が決まった裏側を明かした。「お祭りになるのは違うと思いますので、西武さんと、争っているロッテさんにも失礼になると思います」と前置きした上で「渡辺直人の最後の試合になりますので、本人の意向、ファンの方に対して、やれることは、全部やりたいなと思っている。僕は『直人が好きなように』と話をした時に『DHで1番を打ちたい』と本人が言いましたので。出るからには大活躍してほしいなと思います。本人も1番を打つことが多かったから、思いが強いと思う」と説明。本人の意思を尊重し、舞台を整えた。

1巡目の2番以降の打者は登場曲を、渡辺直の登場曲である、ゆず「栄光の架橋」に変えた。チーム一体で花道を作った。