日本ハム栗山英樹監督(59)が24日、来季から1軍外野守備走塁コーチに就任することが発表された球団OBの上田佳範氏(47)に「走塁改革」を期待した。今季のチーム盗塁数は80個でリーグ5位。昨季の48個からは大幅増となったが、他球団と比べると次の塁を狙う姿勢も含めて物足りなさが残った。指導歴も豊富で、2年ぶりに1軍首脳陣に復活する「走塁コーチ」の肩書を背負う上田氏にチームの課題解消を託す。

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南国・宮崎の11月とは思えない陽気に負けないほど、栗山監督は上田氏の16年ぶりの古巣復帰を歓迎した。「人柄も含めて、いつか戻ってきてほしいなと思っていたところもあった。そういう意味では、大きな戦力として考えている」。この日、発表されたポストは1軍の外野守備走塁コーチ。今季は全体で考えて取り組むという意図で、あえて置かなかった「走塁」部門の指導者として迎え入れる。求めるのは課題の1つである「走塁改革」だ。

栗山監督 本当に走れる選手をつくっていかないといけないという課題もあるし、(ドラフト2位で俊足の)五十幡も入ってくる。ファームの中からも足の速い子たちを、もう少し前に進めないといけない。もう1回、走塁に関しては徹底的に意識をもっていかないといけない時期だと思う。

チーム全体の走塁への意識は変革が急務だ。今季のチーム盗塁数は80個で昨年比では32個増だが、西川1人で23個増(19個→42個)。西川は今オフにメジャーへポスティング移籍を目指している。昨秋や今春キャンプで同僚に走塁指導もしたスペシャリストの流出が現実味を帯びる中で、次の塁を積極的に狙う姿勢も含めて底上げは不可欠だ。

上田氏は08年の現役引退後は09年から中日、16年から今季まではDeNAで同職を務めてきた。また、主に攻撃時は三塁コーチも務め、走塁に関して最前線で取り組み続けてきた。栗山監督も「スピードっていうのは昔のある時期よりは重要になっている」と足でかき回す野球はトレンドでもあり、重要性を感じているだけに、上田氏の手腕に大きな期待を寄せた。【木下大輔】