ドラフト9位から「成りあがり」だ! DeNAの4番佐野恵太内野手(26)が15日、横浜スタジアムで契約更改交渉に臨み、4600万円増の年俸7000万円でサインした。16年にセ・リーグの支配下選手最後の指名で入団し、4年目で初の首位打者を獲得。同じくドラフト9位入団の巨人高梨雄平投手(28)も7000万円に到達。ドラフト9位以下(育成を除く)では、歴代3位の高給を手にすることになった。(金額は推定)

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今季、新キャプテン&4番に抜てきされ、大ブレークした佐野が、落ち着いた表情で契約内容を明かした。「新しい背番号(7)に0が並んでいく感じです」。入団1年目の670万円から4年で10倍以上。三浦新監督が敬愛するミュージシャン矢沢永吉の著書「成りあがり」を地で行く出世ぶりにも満足しないのは、キャプテンとしての悔しい思いがあったからだ。

首位巨人に5・5差の2位で迎えた9月1日からの東京ドーム3連戦。中継ぎパットンを先発させる奇策も実らず3連敗を喫した中で「キャプテンとしてチームにアクションを起こせなかったことが、すごい後悔しています」と言う。苦しい時こそ明るくチームを鼓舞するのが持ち味だが行動に移せず。「実際、3連敗して優勝が厳しい状況になった。その時やっぱり、やっていればなと。強いチームのキャプテン、長年キャプテンをやってる人だったら、こういう時にやってたんだろうなって思った。後悔が大きいです」。

反省を胸に刻み、キャプテン2年目に自信をのぞかせる。「来シーズンは迷ったらまずは行動に移す。その時にチームを挙げてバックアップするから思い切ってやってくれと(球団側に)言ってもらった。強く前に進んでいきたい」。

来季開幕は巨人3連戦。FAで井納と梶谷が移籍した因縁の相手に「負けられないと強く思っています。優勝するためには倒さなきゃいけない」とメラメラ。チームの目標はもちろん優勝で、今季同様の活躍ができれば1億円の大台も視界に入る。佐野が自らのバットで真の「成りあがり」を体現する。【鈴木正章】