日本ハム初の道産子1位ルーキー伊藤大海投手(23=苫小牧駒大)が、新春インタビューでプロ1年目の決意を語った。大学再入学があったことで、丑(うし)年の今年は「年男」になる。自身の「新人王」、チームの「日本一」を掲げ、1シーズン攻め続けることを誓った。【取材・構成=山崎純一】

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父の職業が、私と同じ。だからこそ聞いてみたかった。「漁師になりたいとか、継ぎたいと思ったことはないんですか?」。伊藤は言った。「その大変さを間近で見せてもらって、自分には難しいかな、というのも思っていました。ただ帰る場所として安心感、野球に打ち込める1つの材料にはなっていた」。幼い頃から荒波にもまれて働く父の姿を見てきた私は、その過酷さがよくわかる。考えは一緒だった。

伊藤の父は春から夏場にかけ、主にタコつぼ漁が盛んになる。「毎日のように食べていたので、食べるのも好きですし、タコがなかったら今の生活は絶対ない」。海の恵みが伊藤の礎となっている。

父を尊敬する思いも伝わってきた。「やっぱりかっこいいというのはずっと思っていた。野球選手に似てるというか、多くは語らずで、自分の行動だったりで示していく部分はすごく手本になる。ああいうふうになりたい」。対自然という厳しい世界で生きる父の背中をみて育った右腕。プロの厳しい荒波に“腕1本”で挑む覚悟を感じた。【日本ハム担当=山崎純一】