「QS王」目指すぞ! 阪神ドラフト2位の伊藤将司投手(24=JR東日本)が3日、千葉・柏市内での自主トレを公開し、ゲームメーク能力をアピールした。

最速146キロの即戦力左腕は多彩な変化球と制球力に自信を持ち、クオリティースタート(QS、先発で6回以上、自責3以内)にこだわる。昨季12球団最多17度のQSを決めた西勇を手本に先発ローテーション争いに殴り込む。

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爽やかな眼鏡姿で伊藤将はオンライン取材に応じ、新年の抱負を語った。「今年は新人選手として精いっぱいプレーして、目標の2桁勝利を目指して頑張っていきたいと思います」。毎年訪れる千葉・芝山町内の神社で引いたおみくじは「吉」。プロでの活躍も「例年よりも強く願いました!」と験担ぎはバッチリだった。

最速146キロ左腕のこだわりはQSだ。「持ち味はゲームメークをすること。先発して6、7回。試合を作ることを目標にして頑張っていきたい」。昨年11月の都市対抗は、1回戦の三菱自動車岡崎戦で9回5安打2失点で完投勝利。球の出どころが見えにくい投球フォームからカーブやカットボール、ツーシーム、チェンジアップなど多彩な変化球を操り、「コーナーにしっかり投げていけばゲームメークもしやすくなってくる」と制球力に自信をのぞかせる。

阪神では昨季エースの西勇が12球団トップとなる17度のQSを数えた。「西さんもそうやってローテーションをずっと守ってきている選手。少しずつ学んでいきたい」。伊藤将は球界の「QS王」に続くつもりだ。また、同じ先発左腕には昨季5勝の高橋や日米通算95勝で前ロッテのチェンらがおり「学ぶことも多くある。負けないように自分もやっていきたい」と高い競争意識もにじませた。

公開したJR東日本柏グラウンドでの自主トレではランニングやキャッチボールなどで約2時間、みっちり汗を流した。社会人での野球人生を「すごく宝になりました」と笑顔で振り返った。その財産を胸にしまい、安定感たっぷりの投球で先発ローテ入りをつかみ取る。【只松憲】

○…伊藤将が、同じ横浜高校OBの西武松坂の存在に刺激を受けた。16学年上で、今年41歳を迎える松坂との面識はないが「いろんなOBの方がプロ野球で活躍しているので、名に恥じないようにやっていきたい」と力を込めた。また、JR東日本のOBには阪神の先輩でもある赤星氏がおり、こちらも「赤星さんに負けない結果を出してやっていきたい」と力強く語った。

◆伊藤将司(いとう・まさし)1996年(平8)5月8日生まれ、千葉県出身。横浜-国際武道大-JR東日本を経て20年ドラフト2位で阪神へ入団。楽天ドラフト1位の早川隆久投手は千葉・横芝中軟式野球部の2学年後輩にあたる。座右の銘は「報恩謝徳(ほうおんしゃとく)」。契約金7000万円、年俸1300万円。背番号「27」。178センチ、85キロ。左投げ左打ち。(金額は推定)