関学大が16日、兵庫・西宮市内の同大学グラウンドで始動し、プロ注目の黒原拓未投手(3年=智弁和歌山)がNPB志望を明かした。最速150キロ左腕で、今秋ドラフト候補に挙がる。今季を見据えて「大学として全日本、最終的にプロに声を掛けてもらえればいい。ドラフトにかかる、かからないは春秋の成績次第。勝ちにこだわってやっていきたい」と気合十分だ。昨年11月に左肘遊離軟骨の除去手術を受けたが、この日も感触を確かめながら力強いキャッチボールを披露した。「春に間に合うのが絶対条件」と話した。

関西学生リーグは通算8勝を挙げるが、15敗と黒星が先行する。本荘雅章監督(49)も「ひと言で言えば勝てる投手になること。結果的には勝てていない」と話し、投球のテンポを課題に挙げる。リーグ新記録の14本塁打を放ち、昨秋ドラフト1位で阪神に入団した佐藤輝明内野手(21=近大)とも対戦し、被弾の悔しさがある。「(映像を)見たら悔しさがあります。ドラフト1位になれる選手と対戦できた。自分の成長材料。プロに入るなら、ああいう選手を抑えていかないといけない」と話した。

対戦時は重圧もあったという。「僕は嫌いでした」と明かす。「投手は低め低めと言われますが、佐藤さんはスイング的に低めを打てる打ち方。変化球を落とすときもワンバウンドするくらいでないと拾われてしまう。パワーもあるので」と振り返った。スラッガーとの対戦を糧にして、レベルアップを図るつもりだ。【酒井俊作】