フルスイングVS剛速球、夢対決の実現だ。阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)と藤浪晋太郎投手(26)が7日、沖縄・宜野座キャンプの紅白戦で対戦することが決定的になった。演出は矢野監督で、佐藤輝の速球への対応力を測るため、2人を意図的に別チームに編成した。佐藤輝は前日5日、第2クールでのプロ1号を“予告”。片やドラフト1位の先輩藤浪がプロの洗礼を浴びせるか。注目の一戦は午後1時プレーボールだ。

    ◇    ◇    ◇

6日の全メニューを終えた佐藤輝が、胸を躍らせていた。「今までに見たことのないピッチャーだと思う」。7日の紅白戦でドラフト1位の先輩、藤浪との対決が決定的となった。「しっかり自分のスイングができるようにやっていきたい」。虎の黄金ルーキーが自慢のフルスイングを武器に、虎の剛腕に真っ向勝負を挑む。

藤浪は昨季、セ・リーグ日本人最速の162キロをたたき出した。197センチの身長から放たれる真っすぐは、セ界の強打者たちでも苦戦を強いられる。佐藤輝も「球が早くて、高い身長、長い手足から見たことの無いところから出てくると思う。それをしっかり見て」と身構えるが、臆する気持ちはない。「ヘタにちょこんとヒットよりも、しっかり振っていきたい」。前日5日、「ホームランを打てるように」第2クールでのプロ初アーチを“予告”。その目標が藤浪撃ちで実現できれば、最高のシナリオだ。

対決を演出した矢野監督はにんまりだ。「(藤浪)晋太郎と佐藤輝をあえて分けた。(藤浪は)2イニングだから、対戦の可能性高いと思っている。そういう対戦があれば楽しみだし」。意図的に2人を別チームに編成。狙いについてはテレビの画面越しで見守るファンファンサービスに加え、「こっちも現状どうなんかが見える」と速球への適応力も確認できると明かした。

佐藤輝はこの日、野手のワンデーキャプテンを務め、ピンクのユニホームで練習に励んだ。朝の全体ミーティングでは「1」の重要性を熱弁。「このクールの初日、アップの1歩目から皆さんで集中して、このクールも最高のものにしていきましょう!」と呼びかけた。もちろん7日の紅白戦も初球から豪快なスイング。待望の初アーチを沖縄の空に描きにいく。【只松憲】

▽筒井外野守備走塁兼分析担当コーチ(佐藤輝の走塁について)「伸びしろがあって、鍛えがいがある選手。タイガースは走塁面に関しては厳しい。そこはしっかり意識をさせて、取り組ませていきます」

◆佐藤輝VS藤浪の可能性 佐藤輝は紅組の1番左翼でスタメン出場する。対する藤浪は白組の2番手として3回から登板し、2イニングの予定。白組の先発が2回パーフェクト投球なら、藤浪との対戦が100%実現する。先発が打ち込まれるなどした場合は、対戦しない可能性もある。