あるぞ、開幕3番! 阪神ドラフト1位の佐藤輝明内野手(21=近大)がDeNAとの練習試合(宜野湾)に「3番三塁」で出場し、9回に、電光掲示板を越える推定140メートルの2ランを放った。対外試合早くも2号の特大弾。昨季10勝の大貫からも2安打を放ち、5打数4安打3打点で実戦の打率は5割ジャスト。即戦力スラッガーが怪物級の打撃でレギュラー獲得を強烈アピールだ。

白球が視界から消えた。右翼手と中堅手はぼうぜんと空を見上げるばかり。佐藤輝が特大弾で開幕スタメンを強烈にアピールした。2点リードの9回2死二塁。DeNA伊勢の真ん中直球を強振。打球はバックスクリーン横の電光掲示板を越えた。その後ろに設置された防球ネットに突き刺さる推定140メートル弾。「最後は甘かった。しっかり捉えることができたので良かったです」。右翼から左翼にフォロー気味に吹く風にも乗ったが、新人離れした怪物級の弾道だった。

対外試合3戦で2発目。「長打というのが魅力だと思うので、しっかりこれからも続けていければ」。ベンチへ帰ると、チームの先輩である陽川のホームランパフォーマンス「ゴリラポーズ」を初披露した。「『やれ』って言われて、やりました…」。照れながらも、両手で胸をたたいた。

相手投手が1軍クラスでも関係ない。初回には昨季10勝右腕の大貫から内角直球を引っ張り、右翼線にライナーで先制の適時二塁打。3回にも中前に2打席連続安打。7回には武藤のカーブを捉え、二塁強襲の二塁打とした。「シーズンに入ってくると攻め方だったり、いろいろ変わってくると思う。打てたからいけるとかじゃなくて、しっかり今日は今日の結果で、また次に切り替えてしっかりやっていきたいと思います」。

謙虚に振り返るが、5打数4安打3打点で、実戦では22打数11安打で打率5割。対外試合に限れば14打数9安打、2本塁打、6打点と手がつけられない。井上ヘッドコーチは「頭1つ、2つ出てるかなと評価せざるを得ない結果を出している」と脱帽した。広島の岩本スコアラーも「もっと研究していかないといけない」と警戒をさらに強めた。

試合後の表情は充実感であふれていた。「いい状態だと思います。やっていくしかないんで、頑張ります」。4球団競合の末に加入した即戦力スラッガー。その実力に偽りなし。新助っ人メル・ロハス・ジュニア外野手(30=韓国・KT)の来日時期にメドが立っておらず、クリーンアップ候補としての存在感が増した。開幕3番起用が現実味を帯びてきた。【只松憲】

 

▽巨人横川スコアラー「ただ思い切り振って遠くに飛ばす打者じゃない。対応力がすごくある」

▽中日金子スコアラー「いやもう、ずっとすごいです。これだけの成績を残して…。シーズンを想定しても、このままいけるんじゃないですか」

 

【21年阪神開幕予想オーダー・ロハス不在バージョン】

<1>中堅 近本

<2>二塁 糸原

<3>右翼 佐藤輝

<4>三塁 大山

<5>一塁 サンズ

<6>左翼 高山(糸井)

<7>捕手 梅野

<8>遊撃 木浪

<9>投手 西勇

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