日本ハムの梅林優貴捕手(22)が11日、故郷広島での凱旋(がいせん)デビューへ1軍に合流した。

12日からの広島3連戦(マツダスタジアム)に向けた練習に参加。守備練習、走塁、緊張気味にフリー打撃をこなした。マツダスタジアムは高陽東時代に県大会の開会式で行進したのみ。「見ているだけの球場。アップのときから楽しくて」と憧れの舞台に浸った。

記憶がよみがえった。子どもが対象のファンクラブ「カープジュニア」に入会しており、年間30試合近くを観戦。当時の助っ人マクレーンが観客席に投げ込んだ球を5つ、実家に大切に保管している。「広島だから呼んでもらえたのもあると思う。少ないチャンスで1つでもアピールできたら、開幕に残れることもできる」と気合に満ちていた。

「梅ちゃんバズーカ」で、インパクトを残す。二塁送球は平均1・8秒台の強肩が売り。「試合に出ることがあればシートノックから、しっかりアピールしたい」。プロ2年目を迎え、春季キャンプでは打撃に重点を置いて取り組んだ。ルーキーの昨季はイースタン・リーグ39試合、打率1割7分1厘で本塁打はゼロ。「何か1つでも去年より、自信を持ってプレーしたいと思った」と磨いてきた。

栗山監督は「肩の魅力は、すごくあるので、楽しみにしている。『大暴れしてください』と伝えました。梅ちゃんバズーカ、期待しましょう」と躍動を心待ちにした。14日は23歳の誕生日。入寮時には、涙する母に別れを告げて上京した。親戚一同が球場に詰め掛ける前で、念願のデビューを飾る。【田中彩友美】