巨人高橋優貴投手(24)が3年目で“初タイトル”に輝いた。12日、「大樹生命 月間MVP賞」を受賞した。今季は6試合に先発し、リーグトップタイの5勝をマーク。防御率1・71もリーグ単独トップと、好成績を並べている。先発するこの日のDeNA戦(横浜)で6勝目を挙げれば、両リーグ単独トップに躍り出るとともに、自己最多となるルーキーイヤーの5勝を抜く。「技術面ではさほど変わったことはないと思うんですけど、気持ちの面で『ここは1点与えないぞ』と。そういう気持ちが良い方向につながっているんじゃないか」と好調の要因を分析した。

精神面で変化するきっかけがあった。開幕ローテを争っていた3月14日、阪神とのオープン戦後のこと。5回1失点の力投も原監督に「闘争心がないように見える」とローテ入りは白紙になった。2軍での調整を命じられた。「映像を見るとそう捉えられるようなところがあった。『それじゃいけない』と思ったし、そういう中で少しマウンドに立つときの気持ちの変化が表れたのかなと思う」。開幕ローテの6番目に滑り込むと、強気な投球でチームをけん引する活躍を見せている。

エース菅野の進言もあり、真っすぐを磨きあげた。4日広島戦(マツダスタジアム)の3回2死満塁。球界を代表する右の強打者鈴木誠也を相手に、フルカウントからの6球目、145キロ内角高め直球で空振り三振を奪い、ピンチを切り抜けた。「どの球種にしても真っすぐが大事だ思う。真っすぐで勝負できるところはしていくと、良い投球につながると思う」。強気で闘争心にあふれた「21年の高橋」の快進撃はまだまだ終わらない。【小早川宗一郎】