ソフトバンクのニック・マルティネス投手(30)が、好投でチームに沖縄初勝利をもたらした。古巣の日本ハムを相手に、8回0/3を6安打1失点でチーム単独トップの6勝目をマークした。来日4年目で公式戦では初めて地方球場で登板。ただ、日本ハム時代の春季キャンプ地でもあり「沖縄のみなさんが野球を好きなのは知っていたし、マイアミ出身で気候は似ている。気持ちよく投げました」と涼しい顔で右腕を振り続けた。

初回から3回まで1人の走者も許さない完璧な立ち上がり。4回以降は何度もピンチを背負ったが、要所で粘った。来日初完封を狙った9回は、先頭高浜にソロ本塁打を許して降板。「できれば、と思ったんだけどね。野球の神様が(沖縄出身の)嘉弥真さんに出番を与えたのかな」。悔しそうに拳を下ろしながら苦笑いで振り返ったが、移籍後最長を危なげなく投げた。

この日に東京五輪の米国代表選出が発表され、マルティネスは「子どもの頃から、国を代表して何かをすることを夢見ていた。謙虚に光栄に感じながら、国のために精いっぱいプレーしたい」と喜びを語った。V打を放った栗原にも、主砲の柳田にも、相棒の甲斐にも、この日は頼もしく映っただろう。だが、五輪の舞台では金メダルを狙う侍ジャパンの強力な敵として立ちはだかるもしれない。【山本大地】

▽ソフトバンク中村晃(4回に右越え2点二塁打)「内角よりの真っすぐを捉えることが出来ました。チャンスだったので、とにかく集中して打席に入った」