右肘靱帯(じんたい)断裂から復活を目指す日本ハム斎藤佑樹投手(33)が昨年10月16日のイースタン・リーグ巨人戦(ジャイアンツ)以来、269日ぶりの実戦マウンドに立った。

中継ぎとして6回から登板。戸柱を120キロの変化球で右飛、嶺井を129キロの直球系で三ゴロ、益子を130キロの直球系で三ゴロと、3者凡退に抑えた。投球数は9球。最速は132キロだった。

「ほっとはしてます。すごい緊張したので…」と一瞬笑顔も「野球をやってるな、という実感をあらためてかみしめました。右肘はもう大丈夫です。焦りはすごくあります。早くチームの戦力になれるように、今日は結果を意識して投げたので、まずは良かったです」と緊張感ある表情に戻って話した。

 

【投球内容】

6回無死

戸柱

<1>132キロ ボール

<2>130キロ ボール

<3>132キロ 見逃しストライク

<4>120キロ 右飛

6回1死

嶺井

<5>計測されず ボール

<6>130キロ ボール

<7>129キロ 三ゴロ

6回2死

益子

<8>131キロ ボール

<9>130キロ 三ゴロ

▽日本ハム木田2軍総合兼投手コーチ(実戦復帰した斎藤に)「柄にもなく緊張していた。練習では、もうちょっと腕を振って、もう少し強く投げていたりするけど、今日は復帰登板だったので。緊張した中でもうまく投げてくれたとは思います」

★日本ハム斎藤の右肘靱帯断裂からの歩み

20年10月16日 イースタン・リーグ巨人戦(ジャイアンツ)で登板し、右肘の大きな異変を感じる。「痛みが走り、力が入らない状態があった」。

同18日 MRI検査で右肘靱帯が断裂していたことが発覚。

同12月9日 契約更改後の会見でシーズン終了後にPRP療法などを受け、リハビリを開始していることを明かす。

21年1月5日 球場開きとなった鎌ケ谷で自主トレ。「体の状態は、肘以外は全部元気なのでね。あとは肘を早く治して、それまでに備えておくという感じですね」。1月中に投球動作を再開し、春季キャンプへ備えた。

同2月1日 国頭での2軍キャンプ初日、一番乗りの午前9時半にブルペン入り。2度の小休止を挟んで200球を投じた。

同9日 リハビリの一環で約200球の投げ込みを継続。球速は約120キロ。

同12日 栗山監督が2軍キャンプを視察。ブルペンでの斎藤の姿に「ああいう表情で野球をやっているのを見ると、涙が出ちゃう」。

同19日 名護での2軍練習に参加。ブルペンで約200球を投げ、肩と肘への負担を減らした新フォームに手応え。「いい方向にいってくれると思う」。

同24日 名護での2軍練習で栗山監督が見守る中でブルペン入り。21日に解禁したスライダー、チェンジアップ、フォークを織り交ぜ、約150球。力を入れた球は約130キロをマーク。

4月8日 2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で故障後初めて打者相手に投球。万波(2打席)、田宮(2打席)、細川(3打席)に対して実戦形式で対戦し、29球を投げ、最速は135キロだった。「やっぱり楽しいですね。投げたからには早く復帰しないといけないという気持ちもある」。この日以降も定期的に打撃投手を務めながらリハビリを進めた。

【関連記事】日本ハム斎藤佑樹一問一答1

【関連記事】日本ハム斎藤佑樹一問一答2

【関連記事】日本ハム斎藤佑樹一問一答3

【関連記事】日本ハムニュース一覧