点を取られなければ、野球は負けないが…。日本ハムはソフトバンク17回戦(ペイペイドーム)で継投による無安打無失点試合を達成されながら、9回終了試合ではプロ野球史上初めて引き分けた。打線は後半戦最初のカード計3試合で4安打無得点、41三振。これで28イニング連続無得点と深刻な状況が続くが、この日も奮闘した投手陣は計27イニングで5失点のみ。点を取らなければ、野球は勝てない。

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よく投げ、よく守り、打つことだけが出来なかった。9回裏を守護神の杉浦が3者凡退で締め、なんとか屈辱的な敗戦からは免れた。0-0での引き分けだが、日本ハム打線は安打数もゼロ。ソフトバンクの6投手による継投の前にノーヒットノーランを達成された栗山監督は「受け止めて、次に生かせるようにやっていきます」。指揮官にとっても就任10年目で無安打は初めてのことだ。

今カードは歴史的貧打に襲われた。打線は13日の初戦が1安打14三振、14日の2戦目が3安打13三振。「テコ入れしたつもりだったんだけど」と、6番に二塁手ではプロ初スタメンとなる郡を抜てき。7番にR・ロドリゲス、8番中島と打線を組み替えたが、プロ初先発のスチュワートが繰り出すパワーあふれる投球を打ち崩せず。リリーフ陣も打ちあぐね、この日も14三振と沈んだ。

無安打無得点に抑えられても、史上初めて引き分けに持ち込めたのは投手陣のおかげだ。前半戦は股関節痛で調子を落としていた先発バーヘイゲンが、球数制限がありながらも3回無失点、第2先発の池田も3回無失点と勝機をつないだ。

8回はB・ロドリゲスが1死三塁で仕掛けられたスクイズにも、とっさに低めへ制球。打者の空振りを誘い、飛び出した三走を盗塁死にして大ピンチを切り抜けた。栗山監督も「よく頑張った。(低めの)難しいボールを(捕手の石川)亮が止めて、慌てないでプレーができたのは大きかった」と、守り負けしなかったことはたたえた。

今カードの投手陣の失点は1試合3点以内。相手投手陣の調子の良さもあったが、打線は全く援護が出来なかった。小笠原ヘッド兼打撃コーチも「3試合、うまくいかないのが続いているので、ピッチャー陣には申し訳ないものがある」と、声を絞り出した。負けなかったことは救いだが、借金14の最下位から巻き返すには白星しかいらない。勝つためには得点がいる。栗山監督は「洗い直して、しっかりやっていきます」。早く投打がかみ合う勝利が見たい。【木下大輔】

▼日本ハムはこの3試合の安打数が1、3、0の計4安打。連続3試合の最少安打数は、40年8月1~5日イーグルス(1、3、1)、56年5月6~9日近鉄(2、1、2)、12年4月4~6日DeNA(2、3、0)の3チームが記録した5安打があったが、4安打は史上最も少ないワースト記録となった。また3試合連続無得点は、球団では88年5月1~4日以来10度目のワーストタイ。