38度目の誕生日を迎えた西武栗山巧が、大人の打撃に徹した。1点を追う4回。3番森の同点打と、中村の左前適時打に、外崎も続き3連打でなおも1死一、三塁。栗山はカウント2-2から、楽天田中将の低めのスライダーを救い上げ、中堅へ犠飛を運んだ。「みんながいい流れで回してくれたので、もう『ランナーをかえす!』。これだけですね。よかったです!」。接戦の展開で安打を狙いにいくのではなく、チーム打撃に徹した。

通算2000安打まで残り2本で迎えた一戦。マー君との今季対戦成績は、試合前時点で5打数1安打と打率2割にとどまっていた。メジャー挑戦前の13年までの通算打率は2割4分6厘。その中で12年は5打数3安打で打率6割、11年は11打数5安打で4割5分5厘と、大当たりの年もあった。今季はチーム全体で楽天には大きく負け越しており、Aクラスを狙う上で大事な3連戦初戦。その意味合を理解するプロ20年目のベテランは、確実に1点を奪いにいった。