中日は30日、山井大介投手(43)が今季限りで現役を引退すると発表した。07年、日本ハムとの日本シリーズ第5戦では8回までパーフェクト投球を続け、岩瀬との完全試合リレーでチームを53年ぶりの日本一に導いた現役最年長投手が、20年間のユニホームに別れを告げる。

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中日一筋20年で区切りの時を迎えた山井は、いつも通り練習に参加した。2軍はタマスタ筑後でソフトバンクとの今季最終戦に臨んでいたため、残留組とリハビリ組が練習するナゴヤ球場に姿を見せ、練習前に引退を報告。その後は三塁側ブルペンに入り、26球のピッチングを行った。43歳まで現役を続けた男らしくルーティンを貫いた。

「ドラゴンズのユニホームを着てプレーするのは限られた時間となりますが、ドラゴンズの一員でいる限り、最後の最後まで気を抜かずにみんなと頑張りたいと思います」。球団関係者にコメントを託すと、スーツに着替えてバンテリンドームに向かった。巨人戦前の与田監督やコーチ、スタッフ、そして選手1人1人にあいさつを続けた。

山井は神戸弘陵、奈良産大、河合楽器を経て01年のドラフト6巡目で中日に入団。新人の02年から31試合に登板し6勝をマーク。キレのある直球とスライダーを武器に主に先発として活躍。12年には56試合で4勝15セーブと救援に回って稼働。13年6月28日のDeNA戦(横浜)では史上77人目のノーヒットノーランを達成した。14年には自己最高の13勝(5敗)で最多勝利と最高勝率のタイトルも獲得したが、以降は徐々に成績も下がり、今季はここまで1軍登板の機会はなかった。通算335試合に登板、62勝70敗20セーブの結果を積み上げ、07年の完全試合リレー日本一など、節目では強烈なインパクトを残した。

「ドラゴンズ球団、歴代の監督、コーチ、スタッフ、自分に携わってくれたすべての人に感謝しています。ファンの皆さんのたくさんの声援のおかげでマウンド上では自分の持っている以上の力が出せたと思います。20年間、本当にありがとうございました」。球団を通して感謝の言葉を発した山井。引退会見は7日、引退セレモニーは13日のヤクルト戦(バンテリンドーム)で行う。【安藤宏樹】

◆山井大介(やまい・だいすけ)1978年(昭53)5月10日、大阪府生まれ。神戸弘陵-奈良産大-河合楽器を経て、01年ドラフト6巡目で中日入団。新人年から31試合登板で6勝をマークするなど、先発と中継ぎで奮闘した。36歳の14年に初タイトルの最多勝と最高勝率の2冠を獲得し、国内FA権も得たが行使せず残留した。通算成績は335試合で62勝70敗20セーブ、防御率3・75。179センチ、86キロ、右投げ右打ち。