ソフトバンクが手痛い逆転負けを喫した。2点リードの9回を守護神の森唯斗投手(29)が守り切れなかった。

今季初の5連勝をあと1歩のところで逃した工藤公康監督(58)は「全部勝つのは無理だよね。どこかでは負けるかもしれないんだけど。その切り替えをしっかりやることが大事なのでね。そこだけです」と懸命に前を向いた。ここ8戦7勝で反撃ムードが高まっていたが、一旦の小休止となった。

盤石の流れだった。5回にアルフレド・デスパイネ外野手(35)の6号3ランで逆転し、6回は嘉弥真新也投手(31)が3人斬り。7回は岩崎翔投手(31)が走者を背負いながら無失点でしのぎ、8回リバン・モイネロ投手(25)が完璧な投球でバトンをつないできた。だが森は、9回無死から先頭の森にソロ本塁打を浴び1点差。安打と2四球で満塁のピンチを背負い、外崎の犠飛と岸の適時打で逆転を許した。

森の3失点は今季ワーストで、19年以来2年ぶり。セーブ機会での失敗は今季初だった。工藤監督は「森で打たれたらしょうがないでしょう。後ろを任せているのでね」と割り切った。

敵地での2試合を残し、西武には今季カード勝ち越しの可能性がなくなった。首位ロッテとのゲーム差は5のままだが、3位楽天には再び1・5差をつけられた。1日からは大阪へ移動し、2位の好調オリックスと3連戦を戦う。指揮官は「やってしまったと思うより、明日こそはと思う方がいい結果につながると思う。忘れるところはしっかり忘れて、明日につながるようにやりましょう」と、気持ちの切り替えを促した。【山本大地】

▽ソフトバンク杉山(先発も4回途中3失点) 調子は悪くなかった。変化球は前回の登板の時より、効果的に使うことができた。でも、走者を出してから粘ることができず、要所でボールが甘くなってしまった。