阪神矢野燿大監督(52)が「6連勝」で神宮に乗り込む決意を明かした。中日に3連勝し、5日からDeNA3連戦(横浜)に臨む。首位ヤクルトとの天王山を前に、負けられない戦いになる。「オレらはまず横浜3つを、目の前の相手を倒さないと。ヤクルト戦に臨む勢いというのは、つくれないんで。そこに向けての最高の形をつくって、『よし、行くぞ!』という3試合にしたい」と意気込んだ。

今季、敵地横浜では5勝2敗。打線も打率2割7分6厘と、敵地では2番目に打っている。先週は5位広島に同一カード3連敗と痛い星を落としており、最下位DeNAが相手でも油断はできない。「もちろん、どこのチームも必死やし、オレらも必死やし」。指揮官は一戦必勝に集中する。

ナインも、今回の関東遠征の重要さを認識している。選手会長の近本光司外野手(27)は「3カードしっかり勝ち越して、(甲子園に)帰ってこられるように。1試合1試合を全員で戦って、どんな形でもひとつの勝利を全員でつかみにいけたら」と、ナインの気持ちを代弁した。虎のリードオフマンはここまでセ最多の163安打。ここ5試合のうち4試合、初回の先頭打者で安打を放ち、打線を鼓舞している。今季の1番打者での初回第1打席は打率3割6分6厘。125打席で四球はわずか2と積極打法が目立つ。ここからの9試合はすべてビジターで先攻となるだけに、近本への期待は大きい。

亀山&新庄フィーバーで盛り上がった92年は残り15試合で首位で2位ヤクルトに3ゲーム差をつけていた。9月22日巨人戦(東京ドーム)からの長期遠征で3勝10敗と大失速。甲子園に戻ってきた10月10日ヤクルト戦に敗れ、目の前で胴上げを許した。今季の矢野阪神も残り17試合での長期ロードが始まる。矢野監督は「1試合、1試合、僕たちの試合をして、精いっぱい戦ってきますので、ファンのみなさんも一緒に戦ってもらえたらうれしい」とファンの声援を力に、必ず笑って甲子園に帰ってくる。【石橋隆雄】