4番の一振りが、マジックを呼び込んだ。ヤクルト村上宗隆内野手(21)が1回2死一塁、阪神の高橋遥人投手(25)から貴重な先制適時二塁打を放った。一塁走者の山田哲人内野手(29)が好走塁で一気に本塁生還。攻撃陣が全力プレーを見せ、27イニング連続無失点だったサウスポーを鮮やかに攻略した。

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村上が両手を突き上げた。1回2死一塁、阪神高橋の外角低めカットボールをフルスイング。右中間を破る適時二塁打を放った。「奥川に先取点を取ってあげたかった」。後輩思いの一打で27回連続無失点の高橋から1点をもぎ取るとともに、自身105打点とし、前回優勝した15年に打点王に輝いた畠山の球団日本人選手最多に並んだ。

5日の巨人戦では、3回1死一、三塁で、遊ゴロを放つも気迫のヘッドスライディング。「本当に点を取るのに必死。無我夢中で走っていた」と執念で併殺崩れをつかみ取り、決勝点となった。主砲とはいえ、50メートル走タイムは6秒1。今季12盗塁と足でも貢献する。「全力疾走は基本です。それが当たり前だと思ってやってきた。打ったら走る。てれんこ走る人いないっしょ」と涼しげに語る。38本塁打105打点と打撃が目立つが、貪欲に点を取る姿勢を忘れない。

ヤクルトの選手たちが走り回った。6日は一塁走者のオスナが、中村の右中間二塁打の間に一気に生還。7日は9回2死二塁から山田がボテボテの遊ゴロも、全力疾走で内野安打をつかんだ。二塁走者の塩見も諦めずに三塁を蹴り、サヨナラのホームイン。3位巨人、2位阪神との連戦で、走塁が効いている。

村上の先制打の場面でも、一塁走者の山田が果敢に本塁へ突入。捕手梅野のタッチをかいくぐった。高津監督は「大きかった。本当にタイミング的に微妙なところだったので。よく走ったと思う」とねぎらった。打つこと以外にもできることはある。全員が泥くさく1点を追い求めている。【湯本勝大】

▽ヤクルト西浦(2回2死走者なしで左翼ポール直撃の5号ソロ)「チャンスメークする気持ちで打席に入った。インコースの球でしたがうまく反応できました。切れなくて良かった」

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