巨人亀井善行外野手(39)が今季限りで現役を引退することが分かった。今日21日にも球団から正式発表される。上宮太子高から中大を経て、04年ドラフト4位で巨人入り。今季でプロ17年目のベテランがバットを置く。喜怒哀楽を隠さず、素を貫く、コテコテの野球人だった。印象的なシーンを当時の記事で振り返る。

【カメの歩みで野手最遅の1000安打(20年7月9日、阪神戦=甲子園)】

節目の1000安打はケガに苦しみ、もがき、はい上がった巨人亀井の生きざまを物語るようだった。2点を追う9回2死一、三塁。阪神藤川の速球を右前にはじき返した。球団最年長、球界3位の年長記録となる37歳11カ月で達成。「あきらめかけた時もありましたけど、我慢強く頑張ってこれた。使い続けてくれた監督に感謝したいです」と背中を丸めた。

周囲の支えが原動力だった。3年目の秋。キャンプメンバーから漏れ、悔し涙を流した。不調、故障での2軍降格の度にファンから声援を掛けられ「頑張ろうと思えた」。グラブ、バット、スパイクはきれいに磨いた上で臨む。「何回も助けてもらってるし、また助けてくださいと思いを込めて」。

1打席ごとにバットをタオルで磨くのは流儀が詰まっている。「相手捕手に打った場所を見られたくないから。前の打席で詰まったとか、芯だったとか悟られないように」。無観客の中、一塁上で記念のボードを掲げた。

▽巨人原監督(亀井の1000安打に)「見事にね。1000本目を飾るにふさわしい、非常に素晴らしい打撃ですね」

▼通算1000安打=37歳11カ月での達成は18年石原(広島)の38歳8カ月、10年北川(オリックス)の38歳3カ月に次ぐ年長3位となり、捕手で入団した選手を除けば最年長。