広島坂倉将吾捕手(23)が8日、マツダスタジアムでの秋季練習初日に三塁に挑戦した。佐々岡監督から指示を受け、内野用グラブでノックを受けた。会沢ら免除組と新型コロナのワクチン接種による副反応が出た選手を除く26選手が参加。約5時間の練習で、坂倉は新境地の三塁のほか、捕手と大忙しの1日となった。

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ほかの捕手がキャッチャーミットで内野ノックを受ける中、坂倉は内野用グラブで白球を追った。今季は新たに挑戦した一塁でも63試合に出場。来季は一塁手の新外国人マクブルームが加入。出場の幅を増やすため、さらに三塁に挑戦することが決まった。

青天のへきれきだった。正捕手会沢に挑むための準備期間と位置づけた秋季練習。初日の練習前に佐々岡監督から宣告された。「言われたところで頑張ります」。複雑な表情に捕手としてのプライドがにじんだ。内野4カ所でのノックから、キャッチャーミットで一塁ノックを受ける石原や持丸に対し、2つの内野用グラブを使い分けながら三塁ノックを受けた。

今季は途中から5番を務め、プロ初のシーズン規定打席に到達してリーグ2位の打率3割1分5厘。来季も中軸が期待される。佐々岡監督は「いろいろと準備をしておけば。あれだけ打撃もいい」と起用の可能性を広げる策として坂倉にコンバートを指示した。

その思いに応えるように坂倉は田中広とのランチ特打で快音を響かせた。「シーズンで出た課題や自分のやりたいことをやっていけたら」。三塁に捕手、そして打撃。さらに自主練習にも取り組んだ。球場を後にしたのは、参加選手の中で一番遅い練習開始から約8時間30分後だった。坂倉の新しい戦いが幕を開けた。【前原淳】

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