マスターズ甲子園2021が5日、兵庫・西宮市内の甲子園で行われ、函館大有斗OB(北海道)で元阪急の佐藤義則さん(67)が初参加した。

背番号1を背負ってマウンドに上がった。合計2回を無失点に抑えて、「ストライクが入って良かった」とホッとした表情だった。

同大会は今年で18回目を迎える。佐藤さんは「去年初めてこういうのやっているとわかって」。昨年は全国大会がコロナ禍で中止。北海道大会のみ出場に終わった。今年は母校のユニホームで甲子園の土を踏んだ。

1回に10球で3者凡退、4回にも登板し、1イニングを無失点に抑えた。「今回はチームが勝ってここに来られてユニホームを着られたので、うれしく思っている。高校のときは来られなかったので、こういう形で自分の高校のユニホームを着てマウンドに上がったのはうれしかった」と振り返った。

マスターズ甲子園は故星野仙一氏が大会名誉会長とあって、佐藤さんも「調べてたら名誉会長だったのでびっくりして」と驚いた様子。さらに、「今日はストライクが入ったから褒めてくれる。まだ投げれるなと言ってくれる」と思い起こした。

プロでは通算165勝を挙げ、85年に21勝で最多勝、86年に防御率2・83でタイトルを獲得するなど活躍。しかし、高校球児として甲子園に出場することはかなわなかった。「そこを目指してやっているからね。地方で勝ってここに出るのを3年間鍛えられながらやって。そこを通らないとプロに入れないので、原点」と改めて高校球児の憧れの場所だと強調した。

最後には「うちの高校は若い子が参加してくれていて人数もいる。少ないところは選抜で出て、このまま続けてほしい」と大会継続を願った。【林亮佑】