初の日本一に輝いた東京ガス(東京都)の臼井浩投手(27=中央学院大)が、大会最優秀選手賞にあたる橋戸賞に輝いた。

試合後は、涙をこらえられなかった。「勝ててよかったです」と喜びをかみしめた。

抑えと先発の両方で、今大会は4試合に登板するフル回転だった。準決勝までは抑えとして3試合に登板していた。8日に行われた準決勝のNTT東日本戦後、山口太輔監督に「先発で」と決勝戦に向けて志願。初回から全力投球し、7回を被安打6、ソロ本塁打の1失点のみに抑え試合をつくった。

先発を志願したのは、恩返しの気持ちだった。「ここまで僕が先発をせずに試合に勝ってこれたという、他の投手陣に対する僕なりの恩返しじゃないですけど。決勝戦まで他の投手に連れてきてもらったようなものなので。7回までというところで、何とか仕事はできたかなと思う」と笑顔。山口監督は「このチームは、エース臼井だと思っています。いけるところまで任せようと、最後、少しバテてきたので交代しましたけど、先発の役割を果たしてくれたと思います。ナイスピッチングでした」と評価した。

準々決勝のエネオス戦では3番手として登板し、自己最速の154キロをマークした。代々、社会人野球を代表する選手が受賞してきた橋戸賞を手にし「橋戸賞に関しては、思い入れというか。歴代の社会人を代表するような投手は橋戸賞を受賞しているというところで、そういう人たちの仲間入りをするには、欠かせないタイトルだと思っていた。今回取ることができたので、橋戸賞に恥じない成績を今後も残していきたい」と話した。

次なる目標は、都市対抗の連覇だ。初優勝の喜びもつかの間「今度こそ、決勝の舞台で最後まで投げられるようにパワーアップして都市対抗に戻ってきたいと思います」と力強く話した。