阪神及川雅貴投手(20)が9日、地元の千葉・匝瑳(そうさ)市で行われた成人式に出席し、「オトナのの誓い」を立てた。「先発をやらせてもらえるとしたら、やるからには2桁勝利。貯金もしっかり残していきたい」。昨季はプロ初勝利を挙げるなど、39試合に登板して救援陣の一角を担った。今季は矢野監督が先発起用の方針を明言しており、3年目左腕も開幕ローテーション入りに気合十分だ。

先発として長いイニングを投げ切るために、「省エネ」がテーマとなる。2段モーションのダイナミックな投球フォームは、足を上げた際に体を大きくねじるため、エネルギー消費が激しい。「もうちょっとフォームをコンパクトに。ねじりの幅を(少なくなるよう)意識しています」。

さらに、試合の要所でギアを一気に上げるため、力配分にも気を配る。「(昨季)序盤は(常に)100%でしたけど、終盤は力感を抜いて投げたりとか意識していました」。救援での経験を生かし、がむしゃらに投げるだけではない「大人の投球」へのモデルチェンジを目指す。

今年の漢字1字は「挑」を選んだ。「やっぱり継続していかないとダメだと思う。今年も来年もという気持ちで、もう1回挑戦という意味で『挑』。一からアピールが始まるので」。年明けに千葉・香取神宮で引いたおみくじは大吉だった。ドラフト同期で昨年大ブレークしたヤクルト奥川やロッテ佐々木朗、オリックス宮城らにも負けられない。愛称「オヨヨ」の22年シーズン、飛躍への視界は良好だ。【中野椋】

○…匝瑳市の成人式は「及川フィーバー」になった。260人の新成人が出席した式典では、及川のプロフィルが読み上げられ、今季の活躍を期待される異例の演出。式後はツーショットを求める友人らが殺到した。太田安規市長(77)は「彼は匝瑳市の星。匝瑳市は難読地名なので、ぜひ匝瑳市が全国版になるように頑張っていただきたい」と期待。成人式を終えた及川は「本当に何不自由なく、育ててくれて感謝しています」と両親に感謝した。