昨季までロッテでヘッドコーチを務めた今岡真訪氏(47)が15日、今季就任した日刊スポーツ評論家として中日に「潜入」した。

現役時代は阪神の主軸として03、05年の優勝に貢献。指導者として経験を積んだ同氏は、PL学園(大阪)の先輩にあたる立浪和義監督と片岡篤史2軍監督(ともに52)に新チームの現在地について直撃した。生まれ変わりつつある空気感を感じ取った。【聞き手=寺尾博和編集委員】

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今シーズンの中日からはチームが変身しそうな気配を感じましたね。バンテリンドームでPL学園の大先輩にあたる立浪新監督に冒頭から「今年のうちはそんなに強くないよ」と謙遜されました。

「監督によって変わるんじゃないですか」と答えると、監督から「ほんまか?」と促されたので、こちらもうなずいた次第です。なにも持ち上げたわけでなく、それだけ雰囲気の良さが伝わってくる。

後輩のぼくが知る立浪さんは、親分肌で器が広い人。普段から物静かだが、怒らせると怖いイメージがにじみ出している。一言でいえば“オーラ”でしょうが、これがチームをピリッとしたムードに包み込んでいます。

ナゴヤ球場では同じ先輩の片岡2軍監督とも話し込みながら、親子ゲームに出場する根尾らの姿を追いかけました。育てながら勝つのは難しいが、立浪監督はそこに懸けようとしているのがうかがえました。

オープン戦からもわかるように、岡林、石川昂、鵜飼、根尾ら若手を積極的に起用している。立浪監督は得点力不足を指摘していましたが、ぼくに言わせれば、それはあくまでも1年前の評価です。

監督は石川昂について「100試合ぐらいは使うよ」と腹をくくっているから、この未完の大器が開花すればチーム再建に拍車がかかる。投手力は計算ができるから、新戦力が芽をだせば十分に戦えます。

待望の立浪監督誕生で期待も大きいが、実際はいい意味の余裕というか、肩に力が入っていない感じでしたね。ゲームになれば臨機応変に、そこに起きたことに的確に対応し、手を打っていくと思いますよ。

阪神、ロッテでプレーし、指導者を経験した者として、バンテリンドームでのゲームは僅差の展開になりがちでした。そこを競り勝っていく立浪野球にも注目しています。