楽天早川隆久投手(23)が、精密機械のような投球で今季2勝目を挙げた。ストライク先行で、7回を2安打無失点4奪三振。昨季1年間ローテーションを守り続けて9勝を挙げた将来のエース候補が、2年目のジンクスを感じさせない進化を見せた。

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冷静に投げ込み続けた早川が、表情を緩めた。7回先頭、松本剛をカウント1-2から低めのスライダーで空振り三振。思わず喜んだ。「自分の思っていたようにスライダーを投げられたので良かったなと思いますけど、確率をもうちょっと上げていければ」と前を向いた。

今季から習得し始めた縦に落ちるスライダー。これまでは斜め横に曲がるスライダーだったが、新たなウイニングショットとするため、変化の向きを変えた。「試合でもある程度使えてきている」とここまでの2試合で投じ、手応えをつかみ始めている。

すべては決めるべきところで決め、球数を減らし、長いイニングを投げられるようになるため。ルーキーイヤーの昨季は決め球に苦しみ、6回や7回で失点するケースが多かった。改善に着手し、新球“縦スラ”で、7回まで101球とスムーズに試合を作った。

投球術でも成長した姿を見せた。オフ期間前に主に一塁を守る鈴木大から投げるまでのテンポが同じと指摘を受け、間合いを変えた。6回2死一塁では近藤に対し、意図的にセットポジションから投げるまでに時間を置いた。「バッターを考えさせることも1つありましたし、ランナーも走りにくいだろうなというところで、長く持ったり、短く持ったり」。6球連続でファウルと粘られたが、集中力を切らさず駆け引き。根負けせず、9球目に左飛に打ち取った。

これで今季2戦2勝。防御率0・64と安定感も出てきた。一方で、「連打があった。そこを改善して、間を開けるなり精度を上げるなりしていければ」と、さらなる高みを見つめる。まだまだのびしろはある。圧倒的なエースに上りつめるため、進化していく。【湯本勝大】