最難敵から反撃の1勝をもぎとった。巨人菅野智之投手(32)が「日本生命セ・パ交流戦」のソフトバンク戦で8回5安打無失点と好投し、今季6勝目を挙げた。快投したエースを丸佳浩外野手(33)が先頭打者アーチを含む2本塁打、アダム・ウォーカー外野手(30)が3戦連発弾で援護。19、20年の日本シリーズで8連敗、交流戦でも2年連続のカード負け越しが決まっている中、一矢報いた。

     ◇    ◇    ◇

エース菅野が、穏やかに笑った。8回2死一、二塁、グラシアル。123球目、外角137キロスライダーで二ゴロに打ち取った。女房役の小林とハイタッチ。「ホームで勝つということは大きいですし、うれしいです」と、リーグ単独トップとなる6つ目の白星をかみしめた。

相思相愛の相棒と息がぴったり合った。同学年の小林と開幕戦以来、今季2度目の“スガコバ”バッテリーでソフトバンク打線を8回無失点に封じ込めた。「何年間も組んでいるので、特に話し合いすることなく自然の流れで良いリードをしてくれた」。言葉はいらない。柳田やグラシアルや甲斐、今宮ら日本シリーズでも対戦経験のある主力に最速150キロの直球を軸に攻めた。原監督も「あまり首を振ることなくね。疎通ができていたんじゃないでしょうかね」と2人の共同作業を評価した。

貫禄の投球で、19年のソフトバンク戦から始まった自身の交流戦の連敗を4で止めた。マウンド上では常に、明るく、朗らかにを心がけた。「(中山)礼都とか(増田)陸が守っているところであんまり苦しい顔できないなと。彼らもすごく声を出して、鼓舞してくれている」と若き内野手に負けじと踏ん張り、チームを勢いに乗せた。お立ち台から最後に先発陣の後輩へのサポートを求めた。「明日は戸郷が佐々木朗希に負けないと言っていたんで、応援してあげてください」。エースが連敗を食い止め、“怪物”と投げ合う後輩へ連勝を託した。【小早川宗一郎】

【関連記事】巨人ニュース一覧