ロッテの助っ人たちが本領を発揮した。ブランドン・レアード内野手(34)が2発、レオネス・マーティン外野手(34)も2発。4番の佐藤都志也捕手(24)も右翼席へ運んだ。20年7月28日以来の1試合5本塁打で、巨人の3タテを阻止した。

これが理想とする、本来の勝ち方だった。井口資仁監督(47)は言う。

「うちはやっぱり両外国人に頼っているところはあるんでね。調子を上げていくというのが絶対不可欠なところだと思います。今日はいいきっかけになったと思います」

下位のアデイニー・エチェバリア内野手(33)も含め、最大で3人の助っ人が打線に並ぶ。しかし57試合を終え、3人合計で0安打または1安打という試合が32試合もあった。3人合計で3安打以上は、まだ18試合目。この日は計6安打。助っ人が打てば強い-。象徴的な勝ち方だった。

とりわけ、レアードとマーティンには主軸としての期待がかかる。不調はチーム状態に直結する。明るいマーティンは、打率が1割台で停滞し、表情が沈みがちな時もあった。井口監督も気にかけていた。

「成績が悪ければそういう表情もなるだろうし、そういう中でミーティングもしながら危機感を感じていたので、そういうのがしっかりと出たんじゃないんですかね。普段なら死球で代わってますけど、自分から直訴して絶対出たいって言ってましたので。そういうところも気持ちが入った打席だったと思います」

試合序盤に左足に死球を受けて倒れ込んでも、気持ちを入れて中盤、終盤に価値ある2本塁打。負ければ借金10という苦境のチームに、自身に、まだ光があることを示した。

マーティンは言う。

「チームなので(レアードと僕の)2人だけじゃない。他の7人がいて、ベンチのメンバーがいて、全部が合わさってのチーム。ただ、僕たちが与えられている、期待されていることは大きいと常に思っている」

試合を決められる力量があることは誰もが知る。背負いすぎず、空回りせず。ロッテはつなぎのチームで、マーティンもその一員だ。【金子真仁】

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