一塁側ベンチから背番号8を見つめた「師匠」の予感は的中した。オリックス吉田正尚外野手(28)は阪神佐藤輝に志願され1月に合同自主トレを行った。今でも時間があれば「愛弟子」の打撃動画や試合結果をチェックしている。

吉田正 三振が減ったんじゃないですか? 打率も3割狙えるところにいる。去年と比べると明らかな成長、(モデル)チェンジしていると思う。これで三振しなくなってしまったら…、手のつけられないバッターになりますよ。

昨季126試合で173個喫した三振は、今季ここまで65試合で67個。3月中旬に吉田正が予言した通りの活躍を、佐藤輝は披露している。ただ、2年連続パ首位打者はシーズン完走の難しさも指摘する。

吉田正 打撃は生き物ですから。調子がいいと思っても、実はダメなときがある。だから、軸ですね。戻れるところ(軸)があれば、また強くなれる。成長して、また戻って、成長して…。高い次元を目指して、突っ走ってほしい。

日本を代表するヒットマンが、笑顔で「サトテル」と呼ぶ、愛されるキャラクターも佐藤輝の魅力の1つだ。

吉田正 体も大きいので、無愛想なイメージをもたれがち。だけど、素直で物おじしない性格。かわいらしいですよ(笑い)。

この日の9回、右翼5階席にぶち当てる放物線を見て「調子はあまり良くないと言っていたんですけど、やっぱり1球で仕留める能力は高いですよね」と言った。プロ2年目の成長に、野球人として深くうなずいた。【オリックス=真柴健】

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