「3冠王」も狙える位置からリーグ戦再開を迎えるDeNA牧秀悟選手(24)。インタビュー後編は、過去7人しか達成していない「3冠王」への思い、同学年の阪神佐藤輝明内野手(23)への対抗心などを語った。【取材・構成=久保賢吾】

   ◇   ◇   ◇  

現在、打率3割9厘(リーグ2位)48打点(同2位)16本塁打(同3位)。このハイレベルなペースでシーズンを走り抜けられれば、令和初の「3冠王」も見えてくる。しかし、牧はいたって自然体で、足元を見つめた。

牧 チャンスがあるならと思ってますけど、まだシーズン中盤ですし、全く意識せず、今の状態を維持して、壊さないようにしていきたいなと思います。

昭和では巨人王貞治、ロッテ落合博満らが、平成ではダイエー松中信彦が唯一達成した「3冠王」。イメージを聞かれると、同じ右投げ右打ちのレジェンドの名を挙げた。

牧 すごい方ばかりですけど、自分の中では落合さんがすぐ出てきますね。僕からしたら、偉大すぎる方です。

周囲からの期待が高まる成績が並ぶが、果たして今の数字に対する自己評価はどうなのか。

牧 想像以上ですかね。打点に関しては、これくらいやりたいなというのはあったんですけど、打率、ホームランに関してはすごくいい状態かなと思います。

ルーキーだった昨季から、そんな数字を含めて比較されることが多いのが阪神佐藤輝。オブラートに包むことなく、負けず嫌いな一面をのぞかせた。

牧 数字では勝ちたいと思っています。去年からずっと思ってますし、輝明が打ったら、自分も打たないとなって思いますね。(連絡は)ちょくちょくですかね。1回、同じ日にホームランを打った時に連絡が来ましたね。

試合中、ベンチの最前列でチームを盛り上げる姿も印象的。ホームランパフォーマンス「デスターシャ」も浸透した。

牧 始めて良かったなと思います。最初は佐野さんが始めたんですけど、それを見習って。士気も上がりますし、すごくいい試みだと思います。チームが盛り上がればいいなと思ってますし、昔から変わらないところかなと思います。

今日17日、佐藤輝がいる阪神と甲子園でリーグ戦再開初戦を迎える。

牧 ここからまた頑張っていかないといけないですし、一戦必勝でやっていきたい。僕自身、打点はすごくこだわっているので、チームが勝つ一打をずっと打っていければと思います。

◆今季の牧と佐藤輝の同日本塁打 ここまで4月24日(牧4号、佐藤輝6号)、5月18日(牧、佐藤輝ともに10号)、同29日(牧13号、佐藤輝12号)の3度。

◆デスターシャ マリオカートをゲーム実況するYouTubeチャンネル「サワヤンゲームズ」で、ウクライナ人のサワ・ヤン兄弟が発する言葉。DeNAでは佐野、桑原らも本塁打を打った後にベンチ前で披露している。