ソフトバンクが「藤本チルドレン」の活躍で、今季最長だった連敗を5で止めた。リチャード内野手(23)が自身初の2戦連発&2打席連続の大当たり。試合開始直後に腰に違和感を覚えるアクシデントも、チームを救う2発をたたき込んだ。2、3軍時代から期待を寄せる藤本博史監督(58)に、大きな白星をプレゼントした。

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鷹のロマン砲が持ち味を存分に発揮した。リチャードは2点リードの2回先頭で、オリックス宮城の初球スライダーをとらえて右翼越えの2号ソロ。「積極的に自分のスイングで捉えることができたと思います」と、自身初の2戦連発で勢いづいた。

4回1死で迎えた次打席は、スライダーに詰まらされながら、パワーで左翼テラス席まで運んだ。こちらも初めてとなる2打席連続アーチに「かなり詰まりましたが、自分のスイングで押し込むことができた」と胸を張った。

実は試合開始直後にアクシデントが起きていた。リチャードは初回の守備に就き、ウオーミングアップをしている際に腰に違和感を覚えたという。藤本監督は「『アッ』ってなったらしい。準備不足です」とチクリ。「まだ行けそうですという感じでしたけど、大事を取って。腰がひどくなっても困るし、いいところで代えさせてもらいました」と、6回守備からベンチに下げていた。

藤本監督は「その状態でホームラン2本打っている。力が抜けてちょうど良かったんじゃないかな」と、リチャードの奇想天外ぶりにあきれたように話したが「あれで覚醒してくれたらいいんですけどね。いい投手から2本打てたことを自信にしてくれたらと思います」と期待を込めた。

初回には、野村大が2死満塁で先制2点打。リチャード同様に、藤本監督が2、3軍で指導し、監督就任直後から再三、名前を挙げて期待をかけてきた若鷹だ。指揮官は「去年の2軍の3番、4番が4打点挙げているんやからね。大したもんですよ」とご満悦。コロナ禍や故障者の続出で苦しいチーム状況だったが「藤本チルドレン」の活躍で今季ワーストだった連敗を5で止めた。【山本大地】

▽ソフトバンク野村大(初回2死満塁で先制の2点適時打)「先制のチャンスだったので、とにかく積極的に自分のスイングを心掛けました。このチャンスをモノにできて良かったです。起用していただいているので、期待に応えられるようにチームの力になっていきたいと思います」

▽ソフトバンク・モイネロ(首の寝違えで5試合登板なかったが、9回を3人で抑え12セーブ目)「チームが連敗中だったので、何とか今日の試合に勝つという気持ちでした。チームの勝ちに貢献できて良かった。コンディションも問題なく投げられたし、明日からもチームが勝つために投げたい」