日本選手最多シーズン56号本塁打の期待がかかるヤクルト村上宗隆内野手(22)が、4打数無安打に封じられ、優勝マジックは4で足踏みとなった。前日21日中日戦の第4打席から4打席連続三振は今季ワーストタイ。13日巨人戦で55号を放って以来、6試合、27打席ノーアーチとなった。主砲だけでなくチーム全体でも、プロ初登板となった山下の1安打のみで屈辱の完敗。最短優勝は24日にずれ込んだ。

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3点を追う9回2死一塁、村上は第4打席を迎えた。中日守護神R・マルティネスの初球、外角低め直球をひっかけて二ゴロ。歴史的な1発を期待した燕党から大きなため息がもれた。

日本選手最多に並ぶ55号を放ってから、次の1本が出ない。2回は中日高橋宏に対しカウント2-2からの5球目、真ん中高め152キロ直球に空振り三振。4回もカウント2-2から、外角いっぱい157キロ直球で見逃し三振を喫した。前日21日から4打席連続三振は今季ワーストタイ。本格派右腕との真っ向勝負にどよめきがおこる中、悔しそうな表情でベンチへ戻った。

シーズンも最終盤。相手バッテリーからは、より厳しいマークに遭う。13日巨人戦を最後に、6試合、27打席ノーアーチ。それでも高津監督は「よく声も出してますし、しんどいかどうかはあれですけど、チームの4番ですからね。堂々とグラウンドに立って、フルスイングしてくれたらそれでいいと思ってます」と言う。

主砲以外も封じられ、この日は打線全体でもわずか1安打。それも初登板の山下が放った内野安打のみに終わった。指揮官は「今日のバッティングコーチは寝られないでしょうね。外野まで飛んだのも1本だけ?(実際には2本) いろんな対策したけど、高橋投手いい投手ですけどね。やられっぱなしでしたね」と振り返った。

23日からは神宮で2位DeNAとの直接対決3連戦。昨年の優勝は敵地・横浜で決めただけに、“今季は本拠地で”と願うファンは多い。高津監督も「今日もこれだけたくさんのお客さんに入っていただいて、(23日からも)おそらくたくさん入ってもらえるでしょうし。その期待に応えられるような素晴らしい試合をしたいと思います」。神宮での胴上げへ、村上の復調が待たれる。【鈴木正章】

▼ヤクルトのヒットは初登板のルーキー山下の1本だけ。投手の1安打だけだったのは、02年5月25日阪神戦のバンチ(中日)以来で、ヤクルトでは国鉄時代の56年8月25日中日戦の宮地に次ぎ66年ぶり2度目。新人投手の1安打だけは、42年5月23日大洋戦の林(朝日)以来80年ぶりで、新人投手のプロ初安打だけだったケースは今回が初めてだ。

◆最短24日V ヤクルトの最短優勝決定日は24日に延びた。今日23日からDeNAとの直接対決3連戦で2勝するか、1勝2分けなら優勝が決まる。

○…今季41試合すべて救援登板の中継ぎ右腕・大西が、23日DeNA戦(神宮)に先発する。高津監督は「(プランは)いろいろ考えたんですけど明日になってみないと分からないです。もちろん(大西は)ずっとリリーフをやってきたので、5回も6回もとは思わないですけど」と、継投で乗り切る考えを示した。

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