2季連続のリーグ優勝を目指す東北福祉大が、開幕から無傷の7連勝を決めた。今秋ドラフト候補で左腕の先発・坂根佑真投手(4年=天理)が、今季最長の7回1安打1失点の好投。5四死球を与えるも、キレのある最速145キロの直球とチェンジアップとの緩急がさえ渡り、リーグトップの4勝目を挙げた。約3週間後にはドラフト会議(20日)を控えるが、泰然自若の構えでシーズンに集中する。

リーグトップ4勝目も、坂根に笑顔はなかった。「(投球フォームの)バランスが悪く、制球が定まらなかった」。今季最長の7回を投げ1安打1失点。結果だけを見れば好投も、内容に納得がいかなかった。3者凡退は2回の1度だけで計5四死球。持ち味の打たせて取る投球が影を潜めた。「ヒットは1本だけだったが5四死球。それなら(安打を)6本、7本打たれて無四死球の方が価値がある」と厳しい表情で振り返った。

ドラフト会議を20日に控えているせいか、自然と力が入った。「特に意識はしていない」と言うものの「結果を求め、『打たせたくない』気持ちが強くなり過ぎている」。慎重になりすぎた結果、5四死球。うちフルカウントから3四球とコースへの投げ分けに神経を使った。「(コースを)狙いすぎた。もっとアバウトに勝負しても良かったと思います」と改善点を口にした。

制球は乱れたものの最少失点で切り抜けており、リーグ屈指の「好左腕」であることに間違いはない。この日は緩急を駆使したコンビネーションが効果的だった。3回、味方の失策が絡んだ2死三塁。カウント2-2からのチェンジアップは、直球と同じ腕の振りで最大15キロの球速差。タイミングを外された打者のバットが空を切った。「チェンジアップの調子は良い」と勝負球に自信を見せた。

秋季リーグ戦もいよいよクライマックスで、残りあと3試合。今日2日も勝てば、次節は仙台大との「全勝対決」を迎える。「邪念を振り払い、今までやってきたことを信じる」。無心の境地でリーグVのかかる天王山に挑む。【佐藤究】