ヤクルトが3連勝で、CSファイナルステージを突破した。2年連続日本シリーズ出場は、野村克也監督が率いた92、93年以来、29年ぶりとなった。

逆転を呼び込んだのは、主砲の気迫だった。阪神青柳の前に、6回まで0行進。3点を追う7回、敵失で2点を返し、なお2死満塁で村上宗隆内野手(22)に打席が回ってきた。だが、浜地にカウント2-2と追い込まれ、6球目の当たりは投前へのボテボテの当たり。村上は懸命に一塁へ滑り込んだ。捕球した浜地はグラブトス。ところが、ボールは一塁マルテの頭上高く浮き、ファウルゾーンを転々。その間に走者一掃、3点が入った。

記録は内野安打で、打点1。塁上の村上は思わぬ展開に満面の笑みを浮かべた。ユニホームには、アンツーカーの土がべっとり。何としてもセーフになるという気持ちの表れだった。

前日の第2戦で、CS初アーチとなる逆転2ランを放った。雨の中での試合。最後まで残ってくれたファンに、お立ち台で「雨で寒い中、最後まで応援ありがとうございました! 明日も勝ってみんなで日本シリーズ行きましょう!」と声を張り上げた。本塁打ではなくても、この日の内野安打も同じぐらい価値があった。

 

▼ヤクルトが2年連続9度目の日本シリーズ出場を決めた。ファイナルSから出場のヤクルトは、昨年の巨人戦が□○○△、今年の阪神戦が□○○○。プレーオフ、CSで2年続けて無敗でシリーズに出場は、79年阪急戦に○○○、80年ロッテ戦に○○○の近鉄以来2度目で、セ・リーグでは初めてだ。

▼7回に5点を挙げて逆転したが、この回の安打数は村上の内野安打の1本だけ。プレーオフ、CSでは80年<3>戦近鉄が7回に3安打で5点、04年1S<1>戦西武が7回に3安打で6点、07年1S<2>戦中日が1回に3安打で5点、19年ファイナルS<3>戦阪神が5回に3安打で5点を記録しているが、1イニングに1安打で5点以上は初めてだった。

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