(3年)は、DeNAが1位指名し交渉権を獲得した。

同校の会見場でドラフト会議のテレビを見ていた松尾は、指名の瞬間、表情を崩さずに少しだけ頭を下げた。会場に駆けつけていたチームメートたちから盛大な拍手で祝福を受けた。

松尾は「1巡目でこうして選んでもらえると思ってなかった。ホッとした気持ちは強いんですけど、選んでいただけて光栄に思います」と喜んだ。

DeNAの印象については「投打のバランスがいいチーム」と語り、「そういった中で即戦力として使ってもらえるように準備していきたい」と意欲を燃やした。受けてみたい投手は「今永選手のようなピッチャーとバッテリーを組んでみたい」と話した。

プロでの目標は「トリプルスリー」と堂々と宣言。「打って走れる選手というのはなかなかキャッチャーとしては難しいと思うので、そういった選手になれるように、頑張っていきたい」と力を込めた。

松尾は2年春から4季連続で甲子園に出場。強打の捕手として、今年の選抜大会では準決勝・国学院久我山(東京)戦、決勝・近江(滋賀)と2試合連続アーチを放ち、優勝に貢献した。今夏も2本塁打を放ち、史上10人目の甲子園5本塁打に到達。U18W杯に出場した高校日本代表チームで正捕手を務め、ベストナイにあたる「オールワールドチーム」に選ばれた。

高校最後の大会となった栃木国体の決勝・聖光学院(福島)戦で高校38号を放ち「(高校で)最後の試合。自分の中で一番うれしいホームランでした」と、スターの存在感を披露。昨秋の明治神宮大会、今年の春夏甲子園、国体と4大会連続でアーチを記録し、「有終弾」でドラフトに向けて弾みをつけていた。

甲子園では捕手で活躍したが、1年秋に転向するまでは遊撃手だった。どちらの守備位置で1軍戦力になるのかも、注目される。女子高生人気も高いイケメン選手。プロでの活躍次第で、球界屈指のスター候補に躍り出そうだ。

京都・精華町出身、177センチ、76キロ。右投げ右打ち。

▽DeNA安部スカウト 強肩強打の捕手。シャープな振りで鋭い打球を飛ばし、1秒8台の二塁送球とインサイドワークに定評。

 

▽DeNA三原球団代表(今季限りでの退任を表明) こんなに数多くの公言があるドラフトは、経験したことも記憶にもあまりなかったので、非常に難しかったというのが印象です。結果としては、当初から評価が高かった(大阪桐蔭の)松尾君、即戦力の投手も取れましたし、非常に思い通りにスカウトが作ってくれたリスト通りに進んだドラフトだったと思います。