5時間3分の激闘の末に引き分けたオリックスの中嶋聡監督(53)は「囲み(取材)のことも忘れていたよ」と苦笑い。手に汗握る大熱戦を物語っていた。

3-0の9回に3ランで追いつかれるショッキングな展開だった。「勝ちきりたかった」と問われると「うん、まあ、これがシリーズなんですかね」と1勝の難しさを口にした。

先発に送り出した山崎福也投手(30)が粘りながら4回無失点と役目を果たした。打撃にも定評があり、3回には期待通りに先制の右前打を放った。

「一生懸命、いろいろと全開でいったと思うし、よく投げたと思う。(打撃への期待は)打席に立ったことない選手ばかりなんで。その中では期待してますよ。野手より期待しているわけじゃないですよ。よく投げて打ったと思います」と投打の活躍をねぎらった。

中盤までに3点を奪ったが、その後は12回まで得点できなかった。「向こうの投手もいいですし、打ち崩すのは難しい。その中でどうやって1点取るかが課題にはなってくる」と口元を引き締めた。

自慢のブルペン陣がピンチに次ぐピンチをしのいで8回まで無失点でつないだ。しかし9回に阿部翔太投手(29)が同点3ランを浴びた。シーズン中に許した本塁打は1本だけ。44試合で防御率0.61の安定感で、シーズン終盤は調子の上がらない平野佳寿投手(38)の代役抑えというポジションを任せてきた。

「打たれましたが、打たれたことより、次またやり返すことを期待します。切り替えですね。そこだけが大事。このままでは終われないと思うし」と、今後の期待を口にした。

1敗1分けで最初の神宮2連戦を終了。24日の移動日をはさんで25日からは京セラドーム大阪で戦う。指揮官は「はい、もう1回やっていきます」と、張りのある声で答えた。

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