新庄流で実りの秋とする。日本ハム新庄剛志監督(50)が、7日から沖縄・国頭村で始まる秋季キャンプで、常識破りの“逆回り野球”に取り組むことを明かした。「右バッターが打ったらサードに走る。左バッターもサードに走るっていう野球をやってみようと。紅白戦で」と想定した。

現役時代からあたためていたアイデアで、ルール通り反時計回りにベースを回るのではなく、時計回りに進んでみようというもの。左打者が一塁方向に体を傾けながらスイングする“走り打ち”を防ぎ、バットを振り切る形を作るのが狙い。右打者にとっても、普段とは違って体の後ろに向かって走りだすため、振り切るよりもコンタクトに重点を置くスイングが体験できる。「ヘッドの使い方とか、何かきっかけをつかめたら」。球界屈指の俊足が売りの五十幡ら、走り打ち奨励の例外はいるとしながらも、逆転の発想で打撃向上のヒントを探る。

今季の最下位から、来季大きくジャンプアップするためには、走攻守の全てでレベルアップが必要だ。本拠地も人工芝から天然芝に変わるため、この秋は「守備の方に結構、時間を使うかな。特に大事なのはスローイング。守備だけの日を作らせる」と宣言。今季12球団ワーストタイの86失策から、いかにミスを減らせるか。攻守両面で、徹底的に野手を鍛え上げる。【中島宙恵】

<新庄監督珍練習アラカルト>

★車の屋根に立つ 昨秋キャンプではグラウンドに1台のワゴン車を招き入れ屋根に登り、バットを水平に構えた。遠投を低く、強く投げるための練習法。バット(棒)よりも低い送球を求めた。今春はさらにフラフープを用意し、輪の間を通すよう求めた。

★賞品付きベースランニングリレー 野手を2チームに分け競わせ、走力をチェック。勝利チームに小型マッサージ器をプレゼント。

★近距離ブルペン 捕手を1メートルほど前に構えさせ、ショートピッチングを指示。「外野からカットに投げる延長が本塁だった。一緒」

★高速マシン打撃 今春キャンプで総額500万円のバーチャル投球マシンを導入。打者が速い球に目が慣れていない2月上旬に球速を140~145キロに設定。投手の映像は阪神藤浪、ソフトバンク・モイネロ、現役時代の新庄監督の3種類。「藤浪くんが打てたら誰でも怖くない。オレの映像はボケ」

★神の手スライディング 本塁ベースの先に目印としてテニスボールを置き、捕手のタッチをかいくぐって手で触れたり払うようにする技術を意識させた。

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