「新庄覚醒工場」が、今オフ3人目のターゲットを手に入れた。日本ハムは10日、石川亮捕手(27)とオリックスの横手投げ左腕、斎藤綱記投手(25)の、1対1の交換トレードが成立したと発表。斎藤は北海道札幌市出身で、北照から14年ドラフト5位でオリックスに入団した。トレードは今オフ3件目で、新庄剛志監督(50)は、さっそく“覚醒”手段を思案。成功実績のある下手投げ挑戦も視野に入れ活躍の道を探る。

   ◇   ◇   ◇

シーズン終了から、わずか1カ月あまり。「新庄覚醒工場」が、早くも今オフ第3弾の交換トレードを敢行した。日本ハムが新たに迎え入れた覚醒候補は、かつて、北海道の高校球界で注目を集めた剛球左腕。プロ入り8年目で、技巧派となって故郷へ活躍の場を移すことになったオリックス斎藤綱だ。

プロ入り3年目で、オーバースローからサイドに転向。オリックスでは中継ぎとしてキャリアを積んだが、今季は5試合の登板にとどまっていた。秋季キャンプ中の沖縄・国頭でトレード成立の報を受けた新庄監督は「ちょっと見てみないと分からないけど」と前置きした上で「横に変えてダメだったんでしょ?どんどん、どんどん(腕の位置を)下に下げていこうかな、この辺に」と、アンダースローのそぶりを見せ、ニヤリと笑った。

成功事例がある。横手右腕の鈴木が、新庄監督のひらめきで今季から下手投げに挑戦。中継ぎに先発にと、1軍に欠かせない戦力となった。投球フォームの変更は「球のキレと軌道」を見た上での判断になるというが、1つの可能性として、下手投げも視野に入れ、活躍の道を模索する。稲葉GMは「強い球を投げていますし、左打者は非常にイヤな感じがすると思う」と評価。現段階では左の中継ぎとして起用の方針だが「ボス(新庄監督)がいきなり先発だって言うかもしれないし、そこは現場に任せます」と話した。

活発に補強に動く今オフ。交換トレードでの新加入は、江越、斎藤友(ともに前阪神)、山田(前西武)に続いて、4人目となった。「(斎藤綱は)新しい気持ちで来ると思うし、チャンス。うちのチームは若い選手が多いし、明るいチームというイメージがあると思う。楽しみに来てもらったら」と新庄監督。「覚醒工場」は、スタンバイOKだ。【中島宙恵】

◆斎藤綱記(さいとう・こうき)1996年(平8)12月18日、北海道生まれ。北照では2年夏に甲子園出場。14年ドラフト5位でオリックス入団。16年9月12日楽天戦でプロ初登板。18年からサイドスロー転向。20年7月31日日本ハム戦でプロ初勝利。通算58試合、1勝1敗5ホールド、防御率6・13。182センチ、93キロ。左投げ左打ち。今季推定年俸1300万円。

◆石川亮(いしかわ・りょう)1995年(平7)7月20日、神奈川県生まれ。帝京では1年から正捕手、11年夏に甲子園出場。13年ドラフト8位で日本ハム入団。14年10月2日西武戦でプロ初出場、同試合で初打席初安打。通算207試合、63安打、0本塁打、23打点、打率1割9分。181センチ、87キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1700万円。

【関連記事】日本ハムニュース一覧