来季の先発ローテーション入りを目指すソフトバンク田中正義投手(28)が14日、「お化けフォーク」習得に意欲を示した。ウイニングショットとして投げ込みを重ねており、この日もブルペン投球で多投。斉藤和巳1軍投手コーチ(44)も絶賛した。自主トレをともにする千賀直伝の決め球を武器に、来季は先発1本で勝負。プロ未勝利の16年ドラフト1位右腕が、背水の7年目に挑む。

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田中正の表情は充実感にあふれていた。宮崎秋季キャンプの第3クール最終日。ブルペンで87球を投じ「ここまですごく順調に来ているし、来年は勝負できるところまで来ていると思う」。主にフォークボールを重点的に投げ込み「僕の中ではキーになってくる球種。決め球になる」と、すでに自信たっぷりだった。

今オフの自主トレでは初めて千賀に弟子入りした。沖縄・宮古島でエースの十八番「お化けフォーク」の握り方を直伝された。詳細は語らなかったが「練習の仕方とかも。ようやくそれが体現できるようになってきた」と手応えを感じている。千賀は海外FAを行使し、移籍することが濃厚。そのエースが「誰もが分かる通り持っているものはすごい」と絶賛する田中正が「お化けフォーク」を継承している。

なぜフォークにこだわるのか。田中正は言う。「抑えている人はほとんどが投げている。右のオーバーでいえば千賀さんもそうですし、山本選手も佐々木選手もそう」。千賀の他にも、今季2年連続で沢村賞に輝いたオリックス山本由伸や、完全試合男のロッテ佐々木朗を例に挙げた。「(理想は)出だしが真っすぐの軌道から落ちる球。そこに本当に磨きをかける」。

斉藤和巳1軍投手コーチも「いいフォークを投げていた。今から(開幕)でも問題ない」と、超速仕上がりにべた褒めした。来季は先発一本勝負も明言。16年ドラフトでは5球団競合の末に1位指名された未完の大器。プロ未勝利の右腕が、来季こそ花を咲かせる。【只松憲】

◆今季のソフトバンク田中正 宮崎春季キャンプから好調で、開幕ローテーション入りを手中に収めていたが、3月20日の広島とのオープン戦で4回途中降板。右肩痛を訴え、開幕2軍スタートとなった。リハビリを経て8月14日に中継ぎで1軍初登板したが、同22日に新型コロナウイルス陽性判定を受けた。今季は5試合で0勝0敗、1ホールド、防御率0.00だった。

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