巨人ドラフト1位の高松商・浅野翔吾外野手(17)が「小さな巨人」になる。14日、香川・高松市内のホテルで契約金1億円プラス出来高5000万円、年俸1200万円で仮契約を結んだ。背番号はイチロー氏の51番に正式決定。リモートで初対面した原監督からは、同郷で5度の本塁打王に輝いた中西太氏の名前を挙げ、新たな将来像を示された。すでに開幕1軍をたぐり寄せるため、プロ仕様に一回り体を大きくし、内野守備にも着手している。

    ◇    ◇    ◇

「小さな巨人」になるために、浅野は大きくなっていた。巨人と仮契約を結び襟を正して登壇。体重に話が及ぶと、照れくさそうに白い歯を見せた。「ウエート(トレーニング)の影響か分からないんですけど、90キロ近くはあります」。ドラフト時の公称は身長170センチ、体重83キロだった。プロの世界では決して大きい方ではなく、むしろ身長は小さい部類に入る。プロ仕様に、一回り体をボリュームアップしていた。

その大きな背中に背負う番号に、自ら51番を選んだ。昨年12月、高松商を訪れたイチロー氏と出会い、チームも自分自身も変わった。「そのイチローさんに近づけるように。僕もジャイアンツの51番といったら浅野と言ってもらえるように頑張ります」。色紙には「開幕一軍」とともに、左隅に小さく51と書き込んだ。

瀬戸内海を望む高松市内のホテル。原監督とリモートで初対面した。「中西太さんのようになってほしい」。同郷のレジェンドの名前を挙げ、新たな将来像を示された。浅野と同様に身長170センチ台前半の体で、高松一からプロに飛び込み、本塁打王5度、打点王3度、首位打者2度獲得した「怪童」だ。浅野は「プレーは見たことないんですけど、僕と身長が同じくらい。小さくても関係ないというのは中西さんも証明してくれているので、僕も小さい子たちに証明できるように頑張りたい」と奮い立たせた。

練習では外野だけでなく、内野もこなしている。「外野手1本で勝負するよりは、可能性を広げた方がいいという思いで練習しています」という周到ぶり。巨人の柱となるために、どんどん大きくなるつもりだ。【栗田成芳】

【関連記事】巨人ニュース一覧