楽天移籍とともにトレードマークのヒゲが復活するかもしれない。阿部寿樹内野手(32)は、昨オフに立浪監督の就任に伴い自慢のヒゲをそり落として今季に臨んだ。ヒゲをはやした風貌がバーのマスターみたいと、「マスター」の愛称で慕われてきた。

大学、社会人を経て、25歳で中日に入団。4年目の19年から1軍に定着した苦労人だ。2軍生活時代は、凝った夕食を自分で作るなど、実は本職のマスター並みに料理の腕もしっかりしている。

岩手県の最南端に位置し、宮城との県境にある一関市出身。寡黙で忍耐強い東北人のイメージそのままに、試合後のインタビューも口数の少ない印象だ。ただ、同じ東北に本拠地を置く楽天への移籍はプラスになりそう。

楽天には、明大時代に同学年だった島内がいる。昨季、島内が初タイトルの打点王を獲得。今季の交流戦で対戦した際は、「打点王ですから、僕からは何も言えない。ニュースとかでまた打っているなと、見ています。いい打者だと思う」と笑顔で語っていた。今季も2つめのタイトル、最多安打を獲得した盟友の存在も、必ず刺激になる。【中日担当・伊東大介】