DeNA砂田のすごみに触れたのは、東京ドームで行われた16年の巨人とのCSファーストステージだった。1勝1敗で迎えた第3戦、村田修一のソロで同点にされた直後の6回1死から登板。主砲の阿部慎之助を見逃し三振に封じると、2回を無安打無失点の好リリーフで巨人に傾きかけた流れを再びたぐり寄せ、延長戦の末に劇的な勝利を飾った。

印象的だったのが、阿部との対戦でのメンタルの強さと制球力だった。1回に梶谷が死球で交代し、4回には石田が村田に死球。不穏な空気が漂う中でも、阿部への初球は内角高めに投げ込んだ。3ボールから追い込み、勝負球には阿部の背中から入ってくる内角スライダーを選択。バットを出させず、イケイケのムードだったスタンドを沈黙させた。

プロ2年目に支配下登録され、15年7月8日の広島戦では19歳11カ月で、育成出身投手では史上最年少でプロ初勝利をマーク。今季は15試合の登板に終わったが、通算269試合に登板するなど、豊富な経験を新天地で発揮する。【DeNA担当=久保賢吾】