由伸先輩を超える-。巨人ドラフト2位の慶大・萩尾匡也外野手(21)が19日、都内のホテルで仮契約を結んだ。契約金7500万円、年俸1200万円(金額は推定)で合意し、背番号12となった。今秋の東京6大学野球リーグ戦で戦後16人目の3冠王に輝き、同タイトル保持者の巨人入団は同じ慶大出身で97年ドラフト1位の高橋由伸氏以来。偉大な先輩の名を自ら挙げ、目標に設定した。

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「プロで高橋由伸さんを超えられるような活躍をしたい」。学ラン姿の萩尾は表情を引き締め、高らかに宣言した。

巨人の監督まで務めた偉大な先輩を引き合いに出せばより重圧がかかりそうなものだが「プレッシャーよりも良い目標があって、そこに向かっていくんだという気持ちになれてやりやすい」という強心臓っぷり。3冠王という共通点も大きな自信になった。

小学時代、熊本から東京観光に来た時だった。初めての東京ドームで本塁打を目の当たりに。「誰が打ったんだろう」。萩尾少年はグラウンドに目を戻すと、高橋由伸がダイヤモンドを回っていた。その頃、慶大進学は考えていなかったが「すごく記憶に残っています」と運命を感じている。

即戦力として期待され、原監督には中堅手のレギュラー争いに加わってほしい思惑がある。1年目から1軍で活躍することはもちろん「センターは目標だった。そこは曲げずにやっていきたい」と1歩も引く気はない。目指すべき選手像も「高橋由伸さんも走攻守で活躍していた。僕も打撃だけじゃなく守備でも貢献していきたい」とまた先輩の名を挙げた。

高校1年で経験した熊本地震。今なお、傷痕を抱える地元へ思いをはせる。「たくさんの方が苦しい思いをされている中で(ヤクルト)村上選手の活躍は勇気を与えている。続いていけるように全力で頑張りたい」。地元や日本を盛り上げるヒーローを目指し、あの日東京ドームで見たアーチを自ら描くイメージは「もうできています」。【三須一紀】

◆萩尾匡也(はぎお・まさや)2000年(平12)12月28日、熊本県大津町生まれ。10歳から室小軟式野球部で野球を始める。文徳高では1年春から4番。3年時は主将で「九州最強スラッガー」と呼ばれた。高校通算46本塁打。慶大では2年春にリーグ戦にデビューし、3年春からレギュラー。4年春は5本塁打、17打点の2冠。今秋は打率4割、4本塁打、17打点で3冠王に。180センチ、84キロ。右投げ右打ち。血液型B。

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