虎のハマチが大出世だ。阪神浜地真澄投手(24)が、兵庫・西宮市内の球団事務所で契約更改し357%アップ、2500万円増の3200万円でサインした。魚のハマチは、体長が伸びるにつれ呼称が変わる「出世魚」で、出世したブリ1匹1万円なら何本買えるかという問いに「3000本は買えます」と笑顔で答えた。

プロ6年目の右腕は今季、中継ぎとして自己最多52試合に登板。シーズン中盤からは勝ちパターンでの登板も増え、47回1/3を投げ防御率1・14。1勝3敗21ホールドを挙げた。昨季はわずか4試合、敗戦処理的な役割だった。「今年活躍できなかったら終わる」と背水で挑んだ今季、「今までと正反対の考え方」に変えた。

キレのある直球が武器だが、三振を奪える決め球がない。「ないものは仕方がない。決め球がなくてもどうアウトに取るかにシフトした」と、制球力や配球面を重視。相手打者を研究し、自分の投げるタイミングを変えたりと、工夫して1年間乗り越えた。

今季の自信を胸に、さらにこのオフ課題の落ちる球を習得し、さらに投球の幅を広げ勝ちパターン定着を狙う。「三振の数を増やしたい」と、大事な場面で狙って三振が奪える投手を目指す。「今季は投げるたびに名前がコールされるたびに歓声が大きくなっていった。来年はもっと大きくできたら」。今季の活躍で福岡の実家「浜地酒造」にも関西からの注文が増えた。孝行息子は来季もさらに勢いよく出世する。(金額は推定)【石橋隆雄】

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