【ホノルル(米ハワイ州)13日(日本時間14日)=鈴木正章】29年ぶりのリーグ連覇を達成したヤクルトが、優勝旅行先のハワイに到着した。リラックスした祝福ムードが漂う一方で、高津臣吾監督(54)はマクガフの退団で空位となる新守護神について、実力に加えて人間性まで含めた高い能力を要望。V旅行の初日から、3連覇に向けたハイレベルな争いを熱望した。

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選手、スタッフとその家族ら約170人が、この日の朝、日差しが心地いいハワイに到着した。「(ホテルに)チェックインする前にゴルフ、行ってきました」と笑顔の高津監督だったが、守護神に求める条件を問われると、真剣な表情で口を開いた。

「ブルペンのリーダー。もっと言えば投手陣のリーダーと言ってもいいので、すごく大事なポジション。プラス、人間性であったり、いろいろなところを考えての指名になると思います。もちろん一番は実力でしょうけど、いろんなことがそろわないと任せられないと思います」。

90年代のヤクルト黄金期を支え、日米通算313セーブを挙げた名クローザーだった。当然、新守護神に求める水準は高かった。

既に4人が候補に名乗りを上げている。今季は主に8回を任され、50試合で5勝4敗28ホールド、防御率1・16の清水。マクガフの前任で、今季38試合で2勝0敗16ホールド、防御率1・75の石山。今季40試合で1勝1敗2セーブ18ホールド、防御率1・25の左腕・田口。今季ともにチームトップタイとなる55試合に登板し、9勝をマークした木沢もチャンスをうかがっている。

この日はマクガフが妻子とともに優勝祝賀会に出席した。久々の対面に「やっぱりちょっと悲しいね。ちょっと辛かった」としんみりの指揮官だったが、メジャー移籍を目指す右腕を「本当に心から応援したい」と気持ちよく送り出す。

チーム史上初となるリーグ3連覇を目指す来季の大きなカギを握る新守護神の座に、誰が座るのか。「やっぱりみんなで競争して、いろいろな枠を争ってチーム力は上がっていくと思っているので、そこは尻をたたいたり、競争を促していくのが僕らの仕事と思っています」。常夏の島の日差しを浴びながら、ハイレベルの熱い争いによる相乗効果を期待した。

○…高橋が「WBCモード」で調整に励む。来年3月の本大会へ向け、主要投手陣は12月中にもメンバーが決まる見通し。11月の侍ジャパン強化試合で存在感を見せた左腕は「決まったらしっかり調整して、ちょっと早めてやりたいなと思ってます」と話した。現在もWBC使用球で練習しており「日本のボール投げてなくて。決まるまではずっとその(WBCの)ボールを握っておこうかな」と意欲を示した。

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