15年ぶりに虎の指揮を執る阪神岡田彰布監督(65)を、日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(41)が直撃した。早大の後輩でもある教え子との本音だらけの“ぶっちゃけ対談”。第4回は投手編下。新指揮官は先発陣ローテ8、9人制も視野に入れる。そして、他球団で最も警戒するチームは…。【取材・構成=佐井陽介、石橋隆雄】

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鳥谷氏 実際に選手の動きを見て手応えはありましたか?

岡田監督 野手は手応えある。野手はな。投手はやっぱりなあ…。あれは2007年かな、岩田が(秋季キャンプの)ブルペンで「これは来季いけるんちゃうか」っていうのがあったけど(※1)、まだそういう投手はいないなあ。おーん。浜地にしろ才木にしろ、今年1軍で投げていたピッチャーと、ずっと2軍で投げているピッチャーとでは、やっぱりボールの質が違うがな。ちょっと(差が)激しすぎる。そら、西純はいいとちょっと思ったよ。あの(秋季キャンプ)メンバーの中では飛び抜けてるかな。

鳥谷氏 球の質ですか。

岡田監督 おーん。全然違うよな。他のピッチャーと。ちょっと自信つけたかな、あれも。

鳥谷氏 先発ローテーションは6人で回していくイメージですか?

岡田監督 まあ、8人はいるで。最低8人な。9人いるかも分からんな。3人は規定投球回数を上回ってほしいからな(※2)。

鳥谷氏 青柳投手、西勇輝投手、伊藤将司投手、西純矢投手…。

岡田監督 そこまでいったら4人になってしまうからな。4人いってくれたら、すごい楽やわ。まあ、でも3人でなあ。今は中6(日)で1週間に1回やし。6連戦で残りの3試合は残りの6人でうまく回したら、というのはあるよな。6人言うても、8勝3敗とか8勝5敗とか、ちょっと貯金を作るようなピッチャーじゃないとあかんよな。2ケタ勝たんでもいいよ。そのへんはな。おーん。

鳥谷氏 では戦力的にはある程度いけそうな感じですか? (リーグ2連覇の)ヤクルトが少し抜けている感じもありますが。

岡田監督 ヤクルトはそんなに強いとは思わへんけどなあ。うーん。

鳥谷氏 得点力はあります(昨季リーグ最多619得点。阪神は同5位の489得点)。外国人選手が働いたら強いイメージです。

岡田監督 山田、村上よりも外国人やで。うん。山田、村上はね、そんなに打てんと思う、今年は。村上にしても、あれだけインコースに投げられたもんな、日本シリーズでな。ある程度、ストレートに力のあるピッチャーで150キロくらい投げたら、インコースはそれほど打てんよ。

鳥谷氏 巨人も去年は元気がありませんでした。

岡田監督 そんな怖ないよなあ。

鳥谷氏 外国人選手が戻ってきたら、むしろDeNAの方がちょっと…。

岡田監督 いや、オレはそらDeNAの方が強いと思うよ。オースティンも戻ってくるやろうなあ、今年は。ピッチャーも柱とか、ええのがおるからね。そらあ、力的にはヤクルトよりもDeNAの方が怖いかも分からんな。ヤクルトは何とか点取れそうやもんな。まあ、去年はなんかそういうムードっていうか、それがヤクルトにいったんやな。村上がああいう形(3冠王)になったからな。ヤクルトは2連覇してるけど、オレはDeNAの方が怖いな。力的にはな。うん。(3日守備編上に続く)

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※1…07年の秋季キャンプで岩田稔のブルペン投球をチェックし「10勝できる」と断言。それまでプロ2年間で0勝だった岩田は翌08年に10勝を挙げた。

※2…昨季阪神では青柳(162回1/3)、西勇(148回1/3)の2人が規定投球回に到達した。