日本ハム伊藤大海投手(25)が12日、ソフトバンク2回戦(ペイペイドーム)で今季初黒星を喫した。3月のWBCでともに戦った侍ジャパンの世界一メンバーたちに痛打を浴び続け、6回2/3を8安打5失点でKO。チームは投打がかみ合わず、福岡で連敗となった。移動日を挟んで14日からは西武3連戦。開幕カード以来となる新本拠地のエスコンフィールドに戻って、仕切り直す。

ペイペイドームに勝利の花火がドン、ドンと鳴り響く中で、伊藤は言葉を絞り出した。「次の登板…もらえたら頑張ります」。悔しさをにじませた今季2度目の先発は、7回途中まで8安打5失点でKO。「もう何もない…何もないといったらアレですけど、ふがいないですね」と自らの投球をバッサリと斬り捨てるほど、よく知っている選手たちに打たれてしまった、今季初黒星となった。

要所で、ともに歓喜を味わった戦友に痛打を浴びた。2回2死一、三塁の場面では甲斐に先制中前打を浴びた。1-1で迎えた5回は、昨季まで同僚だった近藤に右中間へ決勝点となる勝ち越し2号ソロを献上。近藤に対しては第1打席から本塁打を浴びた第3打席まで、オール直球勝負。バッテリーを組んだ伏見は「スコアラーさんとか、コーチの方といろいろ相談した結果の攻め」と話したようにチーム戦略だったが、上回った相手が別格だった。

7回は2死二塁から周東と近藤に加えて、21年東京オリンピック(五輪)で一緒に金メダルを獲得した柳田と3者連続適時二塁打を浴びて降板。「(調子は)悪くはなかったんですけど、先制点を取られて、最後7回投げきれない自分の弱さ…一から出直して頑張りたい」。世界レベルを知る“元同僚”たちの壁を越えられず、反省の弁ばかりが続いた。

登板前日の11日には、今季初先発で5回無失点だった5日ロッテ戦後は「なかなか体が(元の状態に)帰ってこない状態がずっと続いていた」と明かしていた。中継ぎだったWBCから戻って久しぶりの1軍公式戦先発は、やはり疲労度も大きかったという。それでも、この日の登板後は言い訳せず。背負う期待の大きさも重々承知する道産子右腕は「切り替えて、頑張りたいです」と、球場を後にした。【木下大輔】