これが4番だ! 阪神大山悠輔内野手(28)が逆転サヨナラ勝ちの口火を切った。

1点を追う9回先頭。相手マウンドには難攻不落の守護神マルティネスがいた。「とにかく塁に出るだけ」。初球ファウルの後、145キロをとらえた一打は右中間を破る二塁打となった。敗色ムードを一転させてチームに勇気を与え、後の同点、サヨナラを呼び込む大仕事。「結果的に塁に出れてよかったし、後ろの選手たちがつないで、つないで勝てた。最初に6点取られて厳しい流れでしたけど、チーム一丸で勝てた勝利。勝てたことが一番大きかった」と充実の表情だった。

リベンジを決めた。右腕とは前日2日にも2点を追う9回の先頭打者で対戦。あえなく3球三振に仕留められた。見せた4番の意地に岡田監督は「最後はうまいこと打ったよな。昨日と全く同じシチュエーションやったけど、今日は1点やったからな。大山、何かの形で出たらと思うてたけどな。まあ二塁打とは思わんかったな」とたたえた。

同点に追いつく一打も主砲から生まれた。2回以降、6点差をジワジワ縮めて2点差に迫った6回。中日投手陣の3四球などで2死満塁とし、勝野から左前へにタイムリーを放って2人を生還させた。「(あの場面は)気持ちではない。狙い球だったりスコアラーさんと話して、準備をしっかりできていたので。それをしっかり打ち返せたのもある」と胸を張った。

3回に中前打、5回には右中間へ二塁打を放つなど、今季初の4安打をマーク。連続試合ヒットも6に伸ばした。3連敗を阻止する価値ある1勝。「今日は今日でもう終わり。また明日、しっかり準備していこうと思います」と引き締めた。今季、全試合で4番を担う背番号3。次戦もバットで聖地をわかせる。【波部俊之介】

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